卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

各地市場の取組

横浜本場は公設公営維持

2019年11月17日(日)に開かれた横浜本場の市場まつり 横浜市中央卸売市場開設運営協議会(若杉明会長)は、横浜市から諮問されていた改正市場法に伴う横浜市中央卸売市場(横浜本場)の運営方式について引き続き公設公営を維持していくことが望ましいと、次の…

松山水産市場の「魚嫌い川柳」

俳句や川柳の人気が復活しているようだ。そのきっかけの一つが伊藤園のお茶のペットボトルである。実にきめ細かく子供から大人までの俳句を印刷してある。時々買うたびに違う句が載っていて相当長くやっているので膨大な量になるだろう。私もこれがあるから…

奈良中央市場再整備基本計画−市場機能強化と賑わい共存(下)

(上)からの続きです 現状と課題 社会環境の変化 農業担い手の高齢化 奈良県の農業従事者の平均年齢は68.8歳で60歳代と70歳代が主体。40歳代までの農業従事者はわずか7% 市場取扱高の減少 青果は平成10年361億円から平成30年には315億円に減少/水…

奈良県経済活性化の拠点に−市場機能強化と賑わい共存(上)

県営の中央市場は全国に沖縄、三重、奈良の三市場ある。 いずれも市場整備に直面しているが、その先頭を切って、奈良中央市場が9月県議会経済労働委員会に奈良中央市場再整備基本計画を報告した。 それによると、15万平米ある現在の市場用地を大きく二分し…

経営と営業の分離−栃木県南市場の青果卸に荒井商事−

公設市場から民営市場に転換した栃木県南地方卸売市場の開設会社「荒井商事株式会社」(荒井亮三社長)は、花き部門に続き青果卸売事業も経営権の譲渡を受け、2019年8月1日から「荒井県南青果(株)」として営業を開始した。 これで荒井商事は、公設市場の…

福岡大同青果ベジフルロジセンター−市場外で量販店のバックヤード機能−

福岡大同青果(丸小野光正社長)は、市場内のバナナ加工センターに続き市場に接した土地約1万㎡を取得し配送センター「ベジフルロジセンター」を建設稼働させている。市場外に土地を取得し独自に集荷・加工機能を持ち365日、24時間稼働を目指す福岡大同…

足利市場民営化スタート

公設から民営化した足利市場の新施設が完成、2019年9月4日に竣工記念式典が行われ、9月24日に新施設での全面開業がスタートした。足利市場は、市場用地を所有する「丸足足利海陸物産市場」(石内昭男社長)が開設会社となり、約12億円をかけて解体、新設…

豊洲市場で開場1周年

2019年10月11日、まるで豊洲市場の苦境を象徴するかのような開場一周年記念式典が、豊洲市場管理棟で行われた。 折しも未曾有の台風接近のニュースが流れるなか、会場には限られた関係者のみ約100人が参加。農水省の武田卸売市場室長が約30分の講演を行っ…

真夏のバーベキュー

バーベキューブームらしい。まだ行ってはいないが川越市場の直売所「生鮮漁港川越」も先月、隣接してバーベキュー施設を拡張した。 京都でも見た。京都市場の外というか中というか、京都市場は公道と私道が入り組んでいてよく分からないが、その一角にある倉…

市場と8階建ホテル

2019年9月上旬、京都に行った。前回、1年前くらいだろうか。京都駅は日本人、外国人入り乱れてコンコースが通勤ラッシュ並みだったが、今回はそれでも多いが前回よりは空いている。 31番線、山陰本線に乗った。この線も昔はガラガラだったが、学生さんでい…

尼崎市場の水産卸に「一光園」

大阪堺市の一光園本社(会社サイトより) 「一光園」いかにもお茶屋さんを想起させる社名だが、尼崎公設地方卸売市場の水産部卸と入場することが決定した。今秋にも営業を開始することで準備を進めている。 一光園は、もともと寿司屋向けのお茶を販売していて…

成田新市場の不安、4回目の入札でようやく建設業者決定−1年半の遅れに懸念の声

新市場イメージ図、上部が空港だが直接は行けない(成田市資料) 輸出入中心の市場を目指す成田新市場が、ようやく開場の目処がついた。 当初はオリンピックまでに間に合わせるという計画であったが、本体棟の入札が3回続けて不調となり、6月の4回目の入…

年商1500億円を視野に−R&Cホールディングス首都圏での存在感強まる(下)

(上)の続きです 2.R&C物流 長野県下の物流一本化 セントライ青果の統合の際、まず丸市青果と名果の物流部門の一本化が図られたように、R&Cのサプライチェーンを支える柱が2017年(平成29年)4月に設立されたR&C物流(本社:長野市)である。 レ…

年商1500億円を視野に−R&Cホールディングス首都圏での存在感強まる(上)

「R&Cホールディングス(以下R&C)」(堀雄一社長)の首都圏における存在感が強まりつつある。「R&Cホールディングス(以下R&C)」(堀雄一社長)の首都圏における存在感が強まりつつある。 R&Cは、長野県連合青果(堀)と長印(倉崎)の共同持株会社と…

生鮮漁港川越−卸売市場内に直売所

卸売会社が市場内に直売所を開く全国初の取り組みが生まれた。 埼玉県の第3セクター市場「川越総合地方卸売市場」内に4月11日、青果、鮮魚、精肉、生鮮三品の直売所「生鮮漁港川越」がオープンした。 この直売所は、川越市場の水産卸「川越水産」が建設し…

豊洲市場半年間の評価

全国第3セクター市場連絡協議会(全国3セク協)第32回総会を取材した。 全国で21市場、公設地方卸売市場は151市場あるから組織的には小さい全国組織だが、第3セクター市場は、行政の公共性を中心にしつつ民間の効率性を導入することで市場活性化を…

豊洲市場にぎわい事業「EDOMAE 場下町 TOYOSU」

オリンピック後に建設される豊洲市場の観光拠点「千客万来施設」が稼働するまで、暫定的に青果棟のある5街区でにぎわい事業を行うと発表した。 現在開催されている「土曜マルシェ」の場所で、新たに三井不動産関連の「MIチーム」を賑わい創出事業者に選定し…

土壌汚染から地下水管理へ−豊洲市場の新たな都市インフラ機能

19年2月に行われた土壌汚染専門家会 汚染対策を一過性にしてはならない 土壌汚染対策費は2011年の東京都のデータで586億円、それから7年近く対策工事を続け、今も調査は行われている。800億円を超えているという報道もある。 移転前、あれほど騒…

新生成田市場 2020年度開場困難に、3回目の入札も不調

オリンピック年の2020年開場を目指し市場建設が進められている成田市公設地方卸売市場は、入札不調等で20年度開場が困難になった。 本体工事の入札が、昨年10月の第一回、11月の第二回、今年2月の第三回と、いずれも入札が不調になったため、成田市は…

丸勘山形青果市場の果たす役割(下)−流通の効率化ビジネスモデル

左:佐藤明彦 代表取締役社長、右:井上周士 代表取締役専務 丸勘山形の特徴 粗利10%、経常利益3%がなぜ実現できたのか、丸勘山形の取り組みは、改正市場法下での流通の効率化を目指す典型的なビジネスモデルである。 なぜこうした数字が一民間市場卸で可…

丸勘山形青果市場の果たす役割(上)−「改正市場法と地方卸売市場」粗利10%、経常3%の衝撃

改正市場法下で大きな課題となるのが地方市場の方向である。 市場法が変わっても、現実の市場流通には大きな変化はないだろうという見方も多い。しかし変わる。とりわけ地方市場は変わる。 卸売市場の減少が、そのまま市場流通の衰退に結びつくわけではない…

花き市場拡充で生鮮流通拠点機能整備−石巻青果市場の取り組み

1.花き売場増設 民設民営市場「石巻青果花き地方卸売市場」が花き卸売場を拡充した。 開設会社である石巻青果が、市場昨年7月に新たに隣接する用地1万1千平方メートルを取得し、売り上げ増に伴い手狭となっていた花き売場を移転増設したのである。 これ…

栃木県南公設地方卸売市場、荒井商事~民営化初年度1600万円の黒字

平成29年10月に民営化された栃木県南地方卸売市場の一年が経過した。その民営開設会社である荒井商事(株)の初年度概要が明らかになった。 初年度となる第1期(平成29年10月1日~平成30年9月30日)の管理業務に係る収支状況は修繕積立予定額1000万円…

市場レポート「長岡中央青果市場」−公設市場の民営化第一号市場

長岡市場全景 半分の取得が終了した 朝採れ野菜の販売等で長岡野菜のブランド化に取り組んでいる 改正市場法下で大きな課題となるのが民営市場の方向である。 市場法が変わっても、現実の市場流通には大きな変化はないだろうという見方も多い。 しかし、一つ…

丸果秋田県青果、復調から飛躍に向けて-県外販売開拓に活路

約14万㎡ある秋田市公設地方卸売市場 秋田市公設地方卸売市場の「丸果秋田県青果(株)(高橋良治社長)」が好調だ。 2018(平成30)年3月決算で東北市場青果卸10社平均が前年比93%となり全社が前年を下回る中で、丸果秋田は99.6%とほぼ前年取扱高をキー…

豊洲市場仲卸の業務停止について

すでに度々報道されているが、豊洲市場の水産仲卸2社に2018年12月1日から1か月間の業務停止処分が出された。また、東京中央市場労働組合(東中労)も15日間の業務停止処分となった。仲卸業者にとって、最大の繁忙期である12月を丸々営業できないことは致…

群馬県下卸3社が共同配送-「海商水産FFC流通センター」を柱に

群馬県桐生市場にある海商水産FFC流通センター 改正市場法下での市場機能の中心は物流の効率化によるサプライチェーンの効率化とバリュー化の実現である。 その物流効率化の一つの試みとして、群馬県の桐生市場を中心に海商水産と群馬丸魚、マルイチ産商の卸…

鹿児島市中央卸売市場魚類市場、高床式と平床式売場を併用

50%完成した鹿児島魚類市場。右が高床式、左側がこれから整備される平床式 鹿児島市中央卸売市場は青果市場(昭和51年移転開業・97,353㎡)、 魚類市場(昭和42年新設開場・水産30,151㎡)に分かれており、一時、総合市場化も検討されたが実現せず、現在地…

水産「大都」花き「FAJ」青果「神明」、成田市場青果卸に神明が進出

株式会社 神明ホールディングス(代表取締役社長 藤尾 益雄)は2018年11月20日、成田市公設地方卸売市場の青果部卸売会社「(株)成田市場青果(小泉 嘉美社長)」の発行済株式70%を取得する譲渡契約書を締結したと発表した(平成30年12月取得予定)。 これ…

全国青果卸売市場協会(全青協)創立60周年・法人化45周年記念、第51回秋の九州・熊本大会

全青協熊本大会、地方市場の挑戦 全国青果卸売市場協会(全青協)の創立60周年・法人化45周年記念、第51回秋の九州・熊本大会が2018年10月23日、熊本ANAクラウンプラザホテルで行われた。 テーマは「激変する環境の中でも農業活性化と成長発展を目指す地方市…