卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

卸売市場の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応

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東京11中央市場が見学中止延期

2020年2月29日から3月31日まで中止されていた東京都中央卸売市場11中央市場の見学は、新型ウイルスの感染者増加を受けて4月12日まで延期する。

見学中止は特に一般消費者の利用を重視している各市場の関連業者・飲食店に深刻な打撃を与えている。市場開市の日にも店舗シャッターを下ろす飲食店も出ており、廃業の危機に直面している市場業者から経営支援の要請が各地で出されている。

また、3月24日に決定されたオリンピック・パラリンピックの「一年程度延期」によって築地市場跡地やオリンピック選手村活用についても再検討を余儀なくされている。

京都市場が使用料等納付延長

政府はコロナウイルスに対する経済支援として様々な案が検討され始めた。

スーパー、コンビニ等の売り上げは、いわばコロナ特需ともいうべき消費者の外出自粛によって伸びているが、50%以上の減収が目立つ外食業界の主要な仕入れ先である市場仲卸もまた深刻な苦境が続いている。

こうした市場業者への経営支援として、京都市場は施設使用料と光熱水道費を2ヶ月延長することを決めた。

しかし、コロナウイルスの収束はまだ見えておらず、インバウンド効果の激減によって大きな影響を受けている市場業者にとって、納付延長では大きな解決策にはならず、各地市場でも使用料等の減免が要請・検討され始めている。