卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

各地市場の取組

コンパクト化・物流機能中心に再整備‐飯塚市公設地方卸売市場

改正卸売市場法時代における市場改革は、物流機能及びEC取引を含めた情報機能強化に集約されるだろう。現在、多くの卸売市場が直面している施設再整備も、この二つの機能をどう取り入れるか「機能特化市場」が最大の課題である。 改正卸売市場方時代の機能…

京都中央市場再整備‐まちと共存する都市型卸売市場

京都市中央市場水産棟鮮魚部門。塩干は令和4年度完成。躯体部分を活用、整備費は約162億円 令和3年9月に京都市中央卸売市場新水産棟(京都市中央市場水産棟)第1期エリア(鮮魚部門)が完成した。京都市中央市場は京都駅から嵯峨野線で2分の梅小路京都…

ワンストップ型輸出機能特化型市場とは? 〜成田新市場を見る

成田市公設地方卸売市場(成田新市場)が2022年1月20日に開場した。 長い卸売市場の歴史でも初のケースとなる「輸出機能に特化した卸売市場」である。多くの卸売市場にとって、輸入は関係があっても輸出に市場として取り組むことはほとんどなかっただろう。…

レンゴー伊勢崎支社が移転統合‐ぐんま県央青果100億円超え、群馬トップ卸に

県下トップ市場となる ぐんま県央青果(高崎地方市場) 長野県連合青果伊勢崎支社は2月10日に高崎市場に移転し3月31日まで営業、2022年4月1日から「ぐんま県央青果」と合併し、ぐんま県央青果として営業する。 ぐんま県央青果は、昨年4月に長野県連合青…

新会社「株式会社R&Cながの青果」‐倉崎浩社長、堀陽介副社長で4月1日スタート

地方市場卸の「R&Cホールディングス」が全国トップクラスの規模となる(長野地方市場) R&Cホールディングス(堀雄一社長)は4月1日に統合する長野県連合青果と長印の体制・人事・経営理念について2022年1月14日、次のとおり発表した。 1. 新会社名…

成田新市場施設完成、2022年1月20日開業

2022年1月20日に開場する成田新市場の主要な施設がほぼ完成した。 成田新市場は既存の成田市公設地方卸売市場の移転新設だが、実質は国の主導による輸出(入)に特化した卸売市場であり、旧市場とはさまざまな面で全く違っている。 「輸出特化市場」は…

仙台市場で銚子漁協フェア

2021年11月12日、仙台中央市場でキンメを中心にした「銚子漁協フェア」が開かれた。午前5時半、仙台水産売場の一画に、特種部や営業企画の社員が用意した会場が設けられ、仲卸や買参人が集まる。 準備段階から見守っていた本田誠社長は「今回は銚子漁協のキ…

仙台あおば青果業務開始‐安藤会長、佐藤社長体制

10月1日午前6時 卸売場で業務開始式が行われた 仙台市中央卸売市場(仙台中央市場)の青果卸「宮果」と「仙台中央青果卸売(仙印)が統合し「仙台あおば青果」が発足、10月1日、業務を開始した。代表取締役会長には仙印の安藤堅太郎社長が、代表取締役社…

改正市場法の先駆的役割‐仙台水産の取組に学ぶ

東北の拠点、仙台市場の役割はさらに重要になってくるだろう(仙台市HPより) (「全水卸」9月号より転載) 市場流通は水産、青果ともに長期低落傾向が続いている。近年は横ばいないし若干の取扱増となっているが、社会的に果たしている機能は充分とは言え…

改正市場法と機能強化‐横浜魚類の取り組み

(「全水卸」7月号より一部転載) コロナ禍が続く中、市場流通の変化もまた静かに進行しつつある。施設整備に取り組む中央市場共通の課題は、市場用地の単なる縮小ではなく「余剰地」の設定による機能強化と施設建設・運営におけるPFI(プライベート・ファ…

横浜本場青果部再整備進む‐新たに三棟の物流施設

横浜市中央卸売市場本場(以下:横浜本場)青果部の再整備が進んでいる。横浜市は平成27年に横浜南部市場を廃止し、12万㎡を物流エリア、5万㎡を賑わいエリアと分け、横浜本場の補完機能を担う場とした。 そして横浜本場も水産部の低温化につづき、青果部も…

高崎市場「関越冷蔵」‐小売支援助成受けドライブスルー機能整備

群馬県高崎総合卸売市場の関越冷蔵(松本武社長)はこのほど、「高崎市まちなか商店リニュアル助成事業」の補助金を受け、ドライブスルー販売等に活用している冷凍庫を補修・増設した。これは高崎市がコロナ禍で苦戦する商店街支援の一環として打ち出した小…

川崎南部市場‐業者負担でワクチン職域接種

川崎南部市場事務棟で行われたワクチン接種 卸売市場における職域接種が行われ始めたが、豊洲市場などワクチン不足によって延期を余儀なくされた市場も多い。 そうした中で川崎市南部市場は、指定管理者「川崎市場管理株式会社」と青果卸「川崎南部青果」の…

成田新市場関連棟は仕切り直し

2022年1月開場予定の成田新市場の関連棟は成田市が直接整備することが決まった。令和3年5月28日、成田市公設地方卸売市場運営審議会が開かれ了承された。 成田新市場は、青果、水産の公設市場部分と高機能物流棟を除く施設は民間による整備、運営を行うこ…

2040年代の市場ビジョン−東京都市場経営指針

東京都はこのほど「東京都中央卸売市場経営指針」を策定した。 現在ある11中央市場の市場会計の改善を目指す長期的な経営指針である。2040年代の市場のあり方を経営面から検討するという、改正市場法で廃止された「10年単位・5年見直し」の市場整備計画…

レンゴー青果が県央青果全株取得‐R&C売上1400億円卸に

北関東の中核に位置する群馬高崎市場(高崎市場HPより) 2021年4月28日、ぐんま県央青果(阿久澤 吉廣社長・資本金1億5千万円))は長野県連合青果(堀陽介 社長・以下レンゴー青果)に全株を譲渡することで合意、契約したことを公表した。取得日は6月1…

富山公設地方市場再整備−定期借地権で公設市場も民間が建設

(参照)富山市 富山市公設地方卸売市場 2021年4月1日、富山市は富山市場用地123,138㎡全てを対象にした再整備事業の優先交渉権者に「新とやまいちば創生プロジェクトチーム」(以下;事業連合)を選定した。民間が公設市場の全てを整備し、その一部を市が…

桐生市場用地一部返還−12年間の無償貸付期間終了

桐生市場は業界の努力で配送施設等が整備されている 2009年に民営化した群馬県の「桐生地方卸売市場」(みどり市笠懸町阿左美)は、民営化後10年間無償貸借を行い、さらに2021年3月まで2年間延長してきたが、4月からは有償とすることを議会決定した。これに…

「成田市場だより」発行

成田市は2021年3月26日付けで、「成田市場だより」を発行した。 来年1月開業を予定している成田新市場について、年度末である3月末段階での開設準備の状況について詳しく情報開示している。その内容についてはすでに紹介した部分も多いが、開設自治体として…

千葉市場再整備は三菱総研が受託

東京商圏の市場機能を模索する千葉市場(千葉市地方卸売市場概要H30年度版より) 開設43年を経過し、再整備に直面している千葉市公設地方卸売市場(千葉市場)はこのほど、再整備に向けた経営戦略を含めた工事手法や基本計画などの策定を三菱総研に委託する…

滋賀県大津市場は公設公営維持−新市長が方針転換、大和ハウスとの民営化協議打ち切り

公設公営維持が決まった大津市公設地方卸売市場、大津市ホームページより 大津市公設地方卸売市場(大津市瀬田大江町)の公設公営が維持されることになった。 大津市議会は2020年6月8日、公設公営に向けた補正予算案と公設市場としての条例改正案を提出し…

和歌山市中央市場に「わかやま○(まる)しぇ」オープン−市場整備基本計画に基づく第一弾

完成した総合食品センター(和歌山市ホームページより) 開設45年を過ぎ市場再整備を進めている和歌山市中央卸売市場(和歌山市西浜1660番地の401)の総合食品センター棟「わかやま○︎(まる)しぇ」が2020年7月2日オープンした。 老朽化した施設の再整備に…

魚菜市場の破綻−ひだ高山中央市場

高山市公設地方卸売市場(ホームページより) 2020年6月21日の改正市場法施行日を迎えて、市場再編の動きが激しくなっている。 高山市公設地方卸売市場(岐阜県高山市問屋町6)は、卸2社がいずれも青果と水産を扱う魚菜市場だが、このうちの1社「ひだ高…

市場再編の動き活発化

2020年6月21日、改正卸売市場法が施行され、市場再編の波がさらに活発化している。 「市場再編」といっても従来型の統合ではなく、それぞれの市場に合わせたケースになっている。今後、随時に詳しく紹介するが、最近の動きを簡単に列挙しておく。 長い歴史…

東京市場卸の平成30年度経営状況−水産、青果、花きいずれも減収減益

平成30年度東京市場卸 販売数量・売上高及び収益状況 水産 前年比 青果 前年比 花き 前年比 取扱数量 37万8千トン 93.60% 1,936トン 97.90% 151万本 95.90% 取扱金額 4,700億円 96.90% 5,374億円 94. 80% 808億円 98.80% 売上総利益 219億円 98.60…

高崎市場、使用料50%減免

高崎市総合卸売市場は、新型コロナへの市場業者経営支援として、全業者を対象に2020年4月、5月の市場使用料を50%減免する。当面2ヶ月とするが、新型コロナの収束状況を見ながら2ヶ月後再検討する。 高崎市場は準公設(第3セクター)市場で代表取締役は…

卸売市場の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応

東京11中央市場が見学中止延期 2020年2月29日から3月31日まで中止されていた東京都中央卸売市場11中央市場の見学は、新型ウイルスの感染者増加を受けて4月12日まで延期する。 見学中止は特に一般消費者の利用を重視している各市場の関連業者・飲食店に深…

民営化2期連続増収増益−卸3社体制となった栃木県南市場

民営化二期目を終えた栃木県南卸売市場の開設会社「荒井商事」が二期連続の増収増益を実現した。 改正市場法下で市場経営の困難さは増すだろうと思われている中で、公設から民営化の受け皿となった開設会社が二期連続の増収増益となったことは特筆に値するだ…

まぐろ人気広がる−市場の直売所

刺身まぐろ供給逼迫が懸念されている中、市場祭りや小売店頭でのイベントの花形は「まぐろ解体ショー」です。 大阪堺と埼玉川越、神奈川小田原の三つの市場の「直売所」を紹介します。 大阪堺中央綜合卸売市場 街のみなと まぐろパーク 写真1「まぐろパーク…

漁況と地方市場のコラボ−JF小田原水産の取り組み

3階建の「漁港の駅・TOTOCO小田原」 改正市場法後の取り組みとして注目されるのが、産地市場と消費地市場の連携です。小田原漁港の再開発で11月にオープンした「漁港の駅・TOTOCO小田原」が基本的に完成したので、先だって小田原漁港に行ってきました。 多…