卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

まぐろ人気広がる−市場の直売所

刺身まぐろ供給逼迫が懸念されている中、市場祭りや小売店頭でのイベントの花形は「まぐろ解体ショー」です。

大阪堺と埼玉川越、神奈川小田原の三つの市場の「直売所」を紹介します。

大阪堺中央綜合卸売市場 街のみなと まぐろパーク

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写真1「まぐろパーク」チラシ

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写真2「大起水産まぐろ解体ショー」

写真1と写真2は、大阪堺中央綜合卸売市場(大阪府堺市北区中村町607-1)の大起水産が経営する海鮮レストランと「街のみなと まぐろパーク」チラシです。

生鮮漁港川越 古賀商店まぐろ解体ショー

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写真3 埼玉川越市場「生鮮漁港」まぐろ解体ショー

写真3は前にも紹介した埼玉川越市場の直売所「生鮮漁港」に出店している古賀商店のまぐろ解体ショーです。

漁港の駅・TOTOCO小田原

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写真4 小田原漁港「漁港の駅」

写真4は相模湾の拠点、小田原漁港に2019年11月にオープンしたばかりの「漁港の駅」3階で営業している「お刺身ビュッフェ」です。

 

この三か所の直売所を見ると、それぞれ地域の特性はありますが、いずれも「まぐろ」中心のメニューです。

大阪や九州など関東以西はまぐろより白身の人気が高いと思っていましたが、まぐろ人気は広がっているようです。
とりわけ堺の大起水産は規模、内容ともに関東の大型店と比較しても遜色のない魅力で、イートインができることもあって売れています。
面白いのは直売所のネーミングです。

沼津魚市場の「沼津INO」(い—の)もユニークですが、「街のみなと まぐろパーク」「生鮮漁港」「漁港の駅 とと丸食堂」も面白い。
小田原の施設規模はそれほど大きくはありませんが、「刺し身ビュッフェ」は漁港ならではの取り組みです。
山梨県はまぐろの消費が多いことは知られていますが、埼玉県川越市場の「生鮮漁港」でもまぐろは一番人気です。

魚では本場中の本場、日本でも有数の漁場である相模湾に位置する小田原漁港にできた漁港の駅は、1階が定置で水揚げされたばかりの「今朝どれ」のイシダイやカサゴ、ニベなどが売られていて、2階、3階の飲食コーナーではまぐろなど30種の刺身が時間制(59分)で食べ放題です。

こうしたケースを見て、売り方を工夫すれば売れるし魚の人気はいささかも衰えてはいないのではないかと感じました。