卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

取材メモ 冬から春へ 石巻・山形‐雪が降り、山も海も喜んでいる

JR石巻駅では石ノ森章太郎の仮面ライダー、サイボーグ009が迎えてくれる

寒い時は寒く、暑い時は暑い。 日本の四季はこの当たり前の季節の変動を受け入れて、それに合わせて生活してきた。

2月、宮城と函館に行き、車中から降り頻る雪を眺めながら、前夜、青果市場関係者が語っていた言葉を思い出した。 「今年は雪が降らず暖かい日が続くので山に雪が積もらず、春先からの水不足が心配だ」

宮城県石巻市で行われた青果市場セミナーに行った。 会場は南三陸のホテル観洋でフロントは5階、会場となった会議室は1階で波打ち際になる。熱海など海岸に建てられた大型ホテルは大抵こうなっている。

宮城県の青果市場は中央が仙台1市場で青果地方市場は6市場、県全域で7市場と少ない。仙台あおば青果と石巻青果を除く5社は小規模である。 宮城県は稲作中心だが、県は園芸野菜の振興に力を入れていて、現在の農産物販売300億円から600億円にする目標に取り組んでいる。

経営は売上ではなく利益だとはよく言われるが、手数料業者であった時代は売上=利益であった。そのシステムが遥か昔に破綻し、手数料業者から差益業者への転換が言われるようになった。

統計上の数字は零細市場の分類となるが、取り扱いのほぼ全量が委託であれば、手数料業者であっても差益業者であっても産地市場の年間売上10億円は決して零細ではない。

卸売市場法制定前は、卸売市場は委託がほぼ100%であり、卸の手数料は10%であった。年間10億円なら粗利は1億円となる。健全経営を維持するのに十分な数字である。

夜は雪になった。翌朝も少し吹雪いた。耳が冷たく、手袋をした手で耳を包んだ。本当に子供の時以来かもしれない、なぜか楽しかった。

南三陸の海はひたすら美しい

3月の山形冬景色〜名残りの雪の美しさ

2月29日から3月1日にかけて山形に行き珍しい経験をした。 行った日は暖かく、雪の可能性が高いので山形公設地方市場に近い無人駅の漆山駅まで車で迎えに来て頂いたのだが、雪どころか爽やかな早春の風が吹いている。 十分な冬支度だったので拍子抜けだったが、今年は除雪予算が余りそうで、除雪業者が困っているという話を伺った。

市場食堂でマグロ、ホタテ、白身の3色丼を食べた。豊洲で7千円、8千円という海鮮丼が話題になっているが、こちらは無料のあら汁がついて1300円である。美味しかった。満喫した。

春の暖かさだった2月29日の翌朝、3月1日は一転、ホテルの外は一面、雪景色である。 山形駅から仙台までの仙山線車中からの雪景色を堪能した。