卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

函館と四万十の秋を訪ねて

10月から11月にかけて福岡、名古屋、函館、四万十に行った。そのお歳でよく動けますねと他人(ひと)からよく言われ「いつ見ても さてお若いと口々に 褒めそやさるる 年ぞくやしき」の川柳の境地を味わっている。 コロナが怖くないのかとも言われるが怖いに…

「いちご よこすかポートマーケット」に行った

船主丼(ふなおさどん)の名前にふさわしい美味しさである 2022年10月28日にオープンした「いちご よこすかポートマーケット」に行った。 松戸市公設地方卸売市場南部市場を運営する「いちごマルシェ(株)」をグループ企業とする「いちごホールディングス」…

卸売会社の生きる道‐八戸中央青果のチャレンジ

八戸中央市場前の道路を挟んで「八食センター」がある 横町芳隆 社長 (農林リサーチ22年10月号より転載) 改正卸売市場法時代に入り卸売市場・卸売業者はどのように変化しつつあるか。 八戸市中央卸売市場は青果部のみの中央卸売市場として半世紀近い歴…

買物客が参加する地域FM‐市場内にある奄美FM放送

住宅街の一画「末廣市場」の中にある「奄美FM」の様子 おそらく全国でもないだろう。2022年10月、鹿児島県奄美大島の珍しいFM放送局「奄美FM」に行った。 奄美大島の中心街、名瀬にある末廣市場の中の店を改装したFM放送局である。隣は海産物を売る…

「ウンギャル丼定食」を食べた‐奄美漁協を訪ねて

ウンギャル丼定食 生の海藻でないと天ぷらはダメらしい 旅行支援によってようやく観光地など人出が増えている。 このところ、各地を取材する機会に恵まれ、奄美大島や、函館、博多、松本に行った。 仕事なのだが、どういうわけか観光地が多い。 取材したこと…

公設地方市場の減少と再編‐公設と民設の接近、卸売市場カテゴリーの変化

(全水卸22年09月号より転載) 公設地方市場の民営化が相次いでいる。また、公設卸売市場を廃止するという今まで少なかったケースも目立つようになった。 中央市場と地方市場、公設市場と民設市場の垣根がなくなりつつある改正市場法時代において、公設…

函館の思い出‐朝市と温泉と美味しいコーヒー

イカも少なく客も少ない函館朝市。旅行割りで今は増えていることだろう 松本のことは前に書いたが、九州人の私にとって北海道は憧れの地であり、とりわけ函館は好きである。長崎育ちなので函館は港や路面電車、函館山からの眺望など共通点が多く親近感があり…

神々の12支‐八戸に行った

自粛が続いているが、個人的には残された時間のカウントダウンが始まっている。なるべく動く体力があるうちは動こうと思っている。 八戸に行った。取材なのだが、それはまた後ほど紹介する。 八戸駅にある12支の山車 常日頃、「全国の中央市場はほとんど行…

改正市場法と地方市場‐公設地方市場の減少と再編

(農林リサーチ2022年8月号より転載) 1.地方市場の減少 市 場 数 の 変 化 R4年1月 R2年6月 H 24年(2012) 中央市場数 65 64 64 地方市場合計 907 1014 1169 (うち公設市場) 143 147 153 (うち準公設市場) 31 31 31 (うち民設市場) 733 836 985 (農…

進化する「公設民営型」卸売市場(下)‐公共性と効率性の共存

(全水卸7月号掲載記事を上下に分けて転載する) 以下(上)の続き Ⅱ. 指定管理者によるPPP・民営化の取り組み〜大阪府中央市場・栃木県南地方市場 こうした経緯によって、「公設公営市場」にPFI、指定管理者、定借権等による民営機能の導入を図る取…

進化する「公設民営型」卸売市場(上)‐公共性と効率性の共存

(全水卸7月号掲載記事を上下に分けて転載する) 改正市場法時代となって2年、卸売市場流通はPFIの推進による効率性優先から「効率性と公共性の共存」が卸売市場の維持・活性化(SDGs)の必須要件となりつつある。3年に及ぶコロナ禍によって、①気…

梅雨明け初日の松本

6月下旬、長野県松本市に行った。梅雨明け宣言が出た日であったことは後で知ったが、とにかく暑かった。 行きは新宿から「あずさ」に乗った。東京から松本に行くには新幹線で長野経由の路線と新宿から特急あずさで行く二通りある。 時間だけなら新幹線が若干…

コロナで高まる市場流通の存在価値−効率性と公共性の共存

(農林リサーチ2022年6月号より転載)当誌5月号で「公設市場の民営化」をテーマに、「行政が完全に撤退する民営化」と「行政が一定関与する民営化」について検証した。コロナ禍で過ぎた3年の間、多くの変化が起きた。その変化を通した市場流通の新たな課…

市場風景スケッチ 木更津魚市場の昼食〜KUttAで食った

千葉県木更津公設地方卸売市場の場内にある食堂「KUttA」で昼食を摂った。 木更津市場の水産部卸「木更津魚市場」は、場内施設を独自に活用、食堂「KUttA」と鮮魚販売店「うお屋」をオープン、地域に開放している。 「市場と食堂」と言えば、これまで卸売市…

水やり禁止の生花「プリザーブドフラワー」

プリザーブドフラワー(保存花)である。知り合いから分けて頂いた。 昔、業界紙のカメラマンI氏に「写真が苦手なら、とにかくたくさん撮ること」とアドバイスされた。今も多く撮るが所詮、写真はセンスであると痛感している。 しかしスマホが良くなって写真…

函館は春盛り

しばらくブログもお休みしていて久しぶりである。先週、5月23〜24日に函館に行った。 水産市場、青果市場を見せてもらい楽しかった。昔、思い出せないほどの昔に行ったことがある。 函館には湯の川温泉という有名な温泉街があるが、路面電車に乗って地元の人…

共同利用で小口配送展開‐新たな食品SCM「豊海流通センター」竣工

改正卸売市場法の下で、アフターコロナの食品流通におけるITを活用した非接触・非対面販売は定着するだろう。 その時に、「来てもらう取引」から「届ける取引」の場として、卸売市場がどのように変わるか、その一つの方向を示すケースとして、2022年3月1日…

なぜ卸売市場には公設と民営の二つがあるのか‐卸売市場雑学雑談その2

一心太助は小売買参人 元々「市場」(いちば)は、民・民の取引の場ですから、全てが民営市場でした。しかし、古くから「座」や「株」によって一定の制約があり、誰でも自由に商売ができたわけではありません。行政の許可も必要でした。 例えば江戸時代の日…

「卸売市場」をどう読むか‐卸売市場雑学雑談その1

「卸売市場」をどう読むか 卸売市場は「おろしうりいちば」と読むのか、「おろしうりしじょう」と読むのでしょうか? 株式市場を「かぶしきいちば」と読む人はいないでしょうが、証券取引所の取引用語には卸売市場と共通する用語がたくさんあることはご存知…

路面電車が好きだ

ビルの谷間の春も去った(4月1日/日比谷公園) ささやかな収入だが一応、確定申告を行なっている。経費を整理していて驚いた。コロナ禍の中で、どういうわけか、昨年2021年は16回出張に行き宿泊していた。 会社勤めの頃は寸暇を惜しみ、サウナに泊まって…

コンパクト化・物流機能中心に再整備‐飯塚市公設地方卸売市場

改正卸売市場法時代における市場改革は、物流機能及びEC取引を含めた情報機能強化に集約されるだろう。現在、多くの卸売市場が直面している施設再整備も、この二つの機能をどう取り入れるか「機能特化市場」が最大の課題である。 改正卸売市場方時代の機能…

京都中央市場再整備‐まちと共存する都市型卸売市場

京都市中央市場水産棟鮮魚部門。塩干は令和4年度完成。躯体部分を活用、整備費は約162億円 令和3年9月に京都市中央卸売市場新水産棟(京都市中央市場水産棟)第1期エリア(鮮魚部門)が完成した。京都市中央市場は京都駅から嵯峨野線で2分の梅小路京都…

サクラ咲いた、ウグイス鳴いた

このところ地震が相次いでいる。津波の被害がなかっただけでもホッとしたが、東北は大変だと思う。3.11の記憶はまだまだ消えないだろう。 東北新幹線の事故を契機に、脱線防止の取り組みがなされていたことを知った。関係者の努力に敬意を抱きながらも、私は…

コロナ禍と市場

暦には数百の「…の日」があるらしいが、2022年2月22日は「スーパー猫の日」だという。なるほど、初めて知った。 テレビも一日中、猫特集をやっていて人気である。YouTubeでペットの動画をよく見るが、「アース製薬」が「ニャース製薬」の名前で宣伝す…

ワンストップ型輸出機能特化型市場とは? 〜成田新市場を見る

成田市公設地方卸売市場(成田新市場)が2022年1月20日に開場した。 長い卸売市場の歴史でも初のケースとなる「輸出機能に特化した卸売市場」である。多くの卸売市場にとって、輸入は関係があっても輸出に市場として取り組むことはほとんどなかっただろう。…

レンゴー伊勢崎支社が移転統合‐ぐんま県央青果100億円超え、群馬トップ卸に

県下トップ市場となる ぐんま県央青果(高崎地方市場) 長野県連合青果伊勢崎支社は2月10日に高崎市場に移転し3月31日まで営業、2022年4月1日から「ぐんま県央青果」と合併し、ぐんま県央青果として営業する。 ぐんま県央青果は、昨年4月に長野県連合青…

新会社「株式会社R&Cながの青果」‐倉崎浩社長、堀陽介副社長で4月1日スタート

地方市場卸の「R&Cホールディングス」が全国トップクラスの規模となる(長野地方市場) R&Cホールディングス(堀雄一社長)は4月1日に統合する長野県連合青果と長印の体制・人事・経営理念について2022年1月14日、次のとおり発表した。 1. 新会社名…

食事は神事である

去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの(虚子) 明けましておめでとうございます 昔は、昨日と今日と何が変わる、何がめでたいと思っていましたが、近年とみに、一年を無事に終え新しい一年を迎えることが出来たことを感謝するようになりました。最近は一…

師走とSDGs

今年も師走を迎え、どうやら無事に年を越すことができそうです。 若いころ高齢の方から「何歳にみえる?」と聞かれて困った経験があります。当時は、50歳以上は皆「年寄り」で一括りでしたから「関心ないし分かりません」と答えるわけにもいかず、いくつと言…

岸和田の魚を全国に‐大阪府鰮巾着網漁業協同組合の「泉州生シラス丼」

だんじり祭りで知られる岸和田にある大阪府鰮巾着網漁業協同組合は大阪湾の漁獲ナンバーワンの漁協である。その漁協直営の「きんちゃく家」で泉州生シラス丼を食べた(写真)。 グルメリポーターの表現力がないので、感想はただただ美味かったと言うだけであ…