卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

2024-01-01から1年間の記事一覧

地方市場の活性化が目立つフォーラム

130名を超す超満員となった生鮮フォーラム(10月17日豊洲市場) 熊本で行われた全青協秋の大会と豊洲市場で行われたパーソナル情報システム(PJS)の生鮮フォーラムに参加した。いずれも100名を超す参加者があり盛況だった。 とりわけ豊洲市場で行…

公設市場の整備費を検証する1〜民設市場と公設市場におけるコスト感覚の違い

(全国青果卸売市場協会会報「全青協」2024年9月号より転載) 当誌(全青協)6月号において、公設市場における機能強化と施設整備費について問題提起をしました。 農水省の資料ですと、全国65の中央卸売市場の5割弱にあたる30市場が40年以上、大規模整備を…

地方市場の活性化に向けて〜石巻青果 菊地社長に聞く

(全国青果卸売市場協会会報「全青協」より転載) コロナ禍の4年は、第一次産業の重要性を改めて認識させることになった。卸売市場もまたインフラ機能(社会資産としての公共性)を担う重要な社会的位置を占めることになった。人口減と高齢化、そして地球温…

市場中央部3万㎡の余剰地に民間物流棟‐広島市中央卸売市場の再整備基本計画

広島魚市場の佐々木猛社長(左)と 広島水産の山本英治郎社長(右) 全国有数の広さを誇る広島市中央卸売市場全景 物流の24年問題を契機に市場再整備における物流機能と市場機能のあり方が大きな課題となっている。建て替え事業者が決まった広島市中央卸売市…

24年問題と市場流通その3〜北海道における物流と市場卸の変化、マルスイHD武藤社長に聞く

(全水卸24年03月号より転載) 「24年問題と市場流通」第3回は北海道の卸売市場の変化である。コロナ禍や世界的紛争による物流の停滞によって、グローバル経済の限界と食料自給率の向上が新たな課題となっている。北海道の重要性は今後増すことはあっても減…

旅の食日記〜富山駅前「丹霞堂(たんかどう)富山駅前店」で昼食

5月10日、富山駅前にある「丹霞堂 富山駅前店」で昼食をとった。 第3セクター市場全国協議会総会が行われた翌日、完成した富山市場青果棟を視察した。 風の盆で有名な「八尾おわら資料館」を見学した後、12時に富山駅前で解散した。 お昼である。ホテルの…

地方市場卸の活性化‐熊本大同青果に学ぶアメーバー経営

(全青協24年3月号より転載) 2022年の改正市場法を追い風にした卸売会社の典型的な成功事例が熊本大同青果とR&Cながの青果(以下:R&C)だろう。 経営手法は全く違う。R&Cは、長野を拠点に各地にグループ市場を展開する規模の拡大を図ってきた。 …

旅の食日記〜北九州、広島、岡山

3月下旬、北九州中央市場、広島中央市場、岡山中央市場を取材した。 北九州中央市場では、卸売市場として初めてのフェリーによるモーダルシフトを行った北九州青果の百合野社長の動画インタビュー(パーソナル情報システムの生鮮フォーラム用)を行った。 …

取材メモ 冬から春へ 石巻・山形‐雪が降り、山も海も喜んでいる

JR石巻駅では石ノ森章太郎の仮面ライダー、サイボーグ009が迎えてくれる 寒い時は寒く、暑い時は暑い。 日本の四季はこの当たり前の季節の変動を受け入れて、それに合わせて生活してきた。 2月、宮城と函館に行き、車中から降り頻る雪を眺めながら、前夜…

佐賀青果に学ぶ‐県下8市場取扱高の70%シェア

佐賀青果市場 民設民営の地方卸売市場 「佐賀青果市場」が存在感を増している。佐賀青果は3年連続で100億円を突破、佐賀県下にある8青果市場の取扱高の約7割を占めている。交通の要衝にある立地とJA系市場の利点を活かした機能を整備し、博多、北九…

さっぽろ雪まつりを見た

さっぽろ雪まつりを見た。 2月7日と8日、札幌に行った。 仕事なのだが、飛行機を取るときに満席に近かった。札幌はやはり人気だなと思っていたら「さっぽろ雪まつり」だった。 パソコンとスマホがあれば「一人在宅勤務」なので、どこでも仕事ができる。 札幌…

24年問題と市場流通その2〜運送業界の立場から

大きく被災した能登半島にある七尾。市役所正面には無名塾・仲代達矢氏筆の「市民のねがい」がある。七尾市は和倉温泉に接し与謝野晶子の歌碑もある文化都市である 明けましておめでとうございます 年末も新年も変わらずめでたいと思っていましたら、能登半…