卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

開設者の属性と行為の公共性

卸売市場の公共性の根拠については、社会的インフラとして整備され機能している点が公共性であるという理解が一般的だと思います。しかし卸売市場は食品の唯一の社会的インフラではありません。「食料品の安定供給による国民生活への貢献」という卸売市場法…

国の関与と公共性

3月末に行われた日本農業市場学会公開特別研究会「卸売市場の現在と未来を考えるー流通機能と公共性の観点からー」を聞きました。公共性の視点から改正市場法を評価、論議するという興味深いテーマです。 報告者は3人で、広島市場の再整備に取り組んでいる…

筑地市場とHACCP

HACCPの義務化まで2年を切り、業界でも慌ただしい動きが出ています。厚労省基準AとBは取扱規模によって決まる可能性があったことから、取り扱いが大きい市場卸は基準Aとなり、厳しいCodex基準が義務つけられると言われていました。 しかし、市場業者は製…

卸・仲卸の垣根

改正市場法によって、卸と仲卸の垣根は無くなりますが、この垣根は、正確に言えば改正市場法によって無くなったのではありません。現行市場法が、受託と買付、せりと相対をフリーにし、手数料率の自由化を導入した時点で無くなったのです。卸と仲卸の垣根は…

改正市場法と卸・仲卸

仲卸と卸の関わり方は、確かに仲卸の立場からするとメリットよりもデメリットの方が多いと思います。 もともと卸売市場法における仲卸の位置付けは売買参加者と同じで、仲卸は市場内に施設を持つ販売業者というだけの違いです。「市場取扱高」はイコール卸の…