卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「賑わいゾーン」は市場機能か

2019年9月20日オープンのブランチ横浜南部市場 消費者開放はイベントなのか、あるいは市場機能の一つなのだろうか。 卸売市場の中に消費者の一般開放施設を設置する動きが広がっている。初めは関連店舗の不振を打開するためで、次に仲卸も参加し、卸も商品供…

奈良中央市場再整備基本計画−市場機能強化と賑わい共存(下)

(上)からの続きです 現状と課題 社会環境の変化 農業担い手の高齢化 奈良県の農業従事者の平均年齢は68.8歳で60歳代と70歳代が主体。40歳代までの農業従事者はわずか7% 市場取扱高の減少 青果は平成10年361億円から平成30年には315億円に減少/水…

奈良県経済活性化の拠点に−市場機能強化と賑わい共存(上)

県営の中央市場は全国に沖縄、三重、奈良の三市場ある。 いずれも市場整備に直面しているが、その先頭を切って、奈良中央市場が9月県議会経済労働委員会に奈良中央市場再整備基本計画を報告した。 それによると、15万平米ある現在の市場用地を大きく二分し…

神様と芸人

伊勢神宮と出雲大社はどちらも好きです。特に出雲大社の白く枯れたヒノキと白砂は人智を超えた荘厳さです。 神存月(かみありづき)10月に、出雲大社に集まる神様が、宿泊するのか会議をするのか知りませんが、日本中の神様が集まる場所が本殿ではなく、小…

水産資源から見た市場流通

豊洲市場で行われた東京水産振興会主催の講演会「水産資源の現状とこれからの豊洲市場流通について」を聞いた。 講師の和田時夫・漁業情報サービスセンター会長と、婁小波・東京海洋大教授は、お二人ともに水産資源の問題に詳しい研究者である。 豊洲市場の…

経営と営業の分離−栃木県南市場の青果卸に荒井商事−

公設市場から民営市場に転換した栃木県南地方卸売市場の開設会社「荒井商事株式会社」(荒井亮三社長)は、花き部門に続き青果卸売事業も経営権の譲渡を受け、2019年8月1日から「荒井県南青果(株)」として営業を開始した。 これで荒井商事は、公設市場の…

福岡大同青果ベジフルロジセンター−市場外で量販店のバックヤード機能−

福岡大同青果(丸小野光正社長)は、市場内のバナナ加工センターに続き市場に接した土地約1万㎡を取得し配送センター「ベジフルロジセンター」を建設稼働させている。市場外に土地を取得し独自に集荷・加工機能を持ち365日、24時間稼働を目指す福岡大同…

改正法の試金石となる東京市場

東京都の条例改正案が2019年11月28日に開かれた取引業務運営協議会で答申され、11月5日の市場審議会の了承を経て12月都議会に上程される。 すでに京都市が上程されていて、今後、中央市場を開設する自治体で来年6月までの卸売市場申請に向けて条例策定が進…

島津製作所のファンです

もう記憶は定かではありませんが、京都の広隆寺は昔、薄暗い廊下のような場所の、手が届きそうな近くに仏像が並んでいて、彼岸への途を思わせる風景でした。 あまりの優美さに画学生が弥勒菩薩に抱きつき指を折った(画学生でなく弥勒菩薩の指です)事件があ…