卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

「地産地消・土産土法・身体不二」を思う

地元食材、地元企業中心のショッピングセンターが増えている(長崎漁港がんばランド)

明けましておめでとうございます。

年初の暇つぶしに魯山人に師事した平野雅章の『日本食文化考』をパラパラ見ていると「土産土法」(どさんどほう)という聞き慣れない言葉があった。
食生活の基本は「その土地に産するものを、その土地の方法によって処理するの意」と説明されている。

もう少し紹介する。

昔から身土不二(しんどふじ)ということも言われてきました。たとえどんな地域にあっても、その地に生存するものは、その地に適するのが自然の理法で、人間の場合には、俗にこれを「水に合う」というようないい方で表現しています。その土地にうまく適合して生きていくためには、その土地、そこに住むひとたちにピッタリした食糧が、その土地において生産されるーつまり土産です。自然の気候風土に応じた土産は、その地域に住む人間が、自然の気候風土に適応した方法で処理するーすなわち土法です。

土産土法、身土不二は仏教思想が根底にあるが、人の身体と土地は切り離せないものであり、その土地でとれたものを、その季節に食べることが健康の基本であるという考え方は地産地消、国産につながる考え方である。

「お金を出せば食料は世界中どこからでも供給できる」グローバル化は既に崩れている。「国産」や「直売所」に対する消費者の信頼も大きい。

「地域を大事にした市場流通」は今年さらに重要な課題になるだろう。

今日の平穏が「明日の今日」になれば良いと思いながら、和歌山の手ねりの蒲鉾や頂いた柚子の手作りジュースなど「下戸の正月」を楽しんだ。