卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

国立劇場のサクラ見納め

東京三宅坂の国立劇場三月歌舞伎に行った。

2023年9月、国立劇場は建て替えのため閉場される。
歌舞伎、文楽、落語・漫才など伝統芸能は、多く国立劇場で鑑賞してきた。

コロナになって休演が続き、再開しても入りは極端に悪くなっていた。
三階席はいつもガラガラである。改装する良い機会かもしれない。

イメージとしては東銀座の歌舞伎座だろう。
歌舞伎座も同じく改装によって建て替えられ、地下鉄東銀座駅改札口を出ると歌舞伎座の地下に直接入ることができるようになった。土産物などが並ぶコーナーがある。

国立劇場は2029年に再開場の予定だという。
民間資金を活用したPFI方式で建てるということなので完成後の運営も民間に委託することになるのだろう。
ホテル、レストランも整備し、インバウンド客も見込む文化観光拠点とする計画だという。
皇居お堀端の前なので賑わうことになるだろう。

私はおそらく行くことはない。残念に思うより潮時だと思う。
低料金で静かに楽しむことができた時代が終わったのだろう。

伝統芸能への危機感もあるということだが、PFI方式の建設運営による民間経営によって伝統芸能が守られるのか懸念も大きい。

国立能楽堂はどうなるのだろうか。
千駄ヶ谷の閑静なあの場所に、賑わいは馴染まないと思う。
そっとしておいてもらいたいと思う。

運営が民間委託になれば料金も上がるだろう。
それはやむを得ないだろうが、数十人規模に減っていると聞いている文楽や能・狂言などに対する支援は減らさないで欲しい。

国立劇場前庭にあるさまざまな桜を見ながら別れを惜しんだ。