卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

水産「大都」花き「FAJ」青果「神明」、成田市場青果卸に神明が進出

株式会社 神明ホールディングス(代表取締役社長 藤尾 益雄)は2018年11月20日、成田市公設地方卸売市場の青果部卸売会社「(株)成田市場青果(小泉 嘉美社長)」の発行済株式70%を取得する譲渡契約書を締結したと発表した(平成30年12月取得予定)。

これにより、成田国際空港隣接地に2020年移転する成田市公設地方卸売市場は、水産卸が大都魚類、花き卸がFAJ、青果卸が神明と、いずれもトップクラスの卸売会社となった。

新市場の敷地面積は9万8千㎡、公設部分と民設部分の関連棟、集客施設棟に分かれる。
公設部分は、当初、青果棟、水産棟、加工物流棟と分かれて建設する予定だったが、温度管理等の機能拡充のために「市場棟」として一体化整備されることになった。

公設部分の総工事費はおよそ135億円。中でも中央部に位置する高機能物流棟は、輸出に特化した施設という初めての試みだけに注目されているが、このほど、三つのエリアに分かれている区画に10社が内定した。この中には大都魚類、山治、成田ヤマニなど輸出に実績のある卸、仲卸の名前があげられている。

関連棟、集客施設棟の民設部分の最終的な調整が続けられているが、骨格部分が確定したことで成田市場は2020年開場に向けた最後のハードルに向かう。

高機能物流網棟は3温度帯(10℃、-20℃、-60℃)の共用・冷蔵冷凍エリアで整備されており、次の三つのエリアに分かれている。

① 加工エリア3区画
・加工A 1階、2階、3階(442~877㎡)
・加工B 1階、2階、3階(494~901㎡)
・加工C 1階、2階、3階(506~1,072㎡)
② ワンストップ輸出エリア 1階 3区画(167~306㎡)
③ 輸出加工エリア 1階 6区画(84~92㎡)

【冷蔵冷凍庫(1~3階・2,020㎡)は民間委託】

新成田公設地方卸売市場の施設概要は以下の通りである。
・市場棟(3階建・延べ2万8502平方メートル)
・民間部分 集客施設棟 約5,500㎡  関連棟 約3,000㎡

成田新市場は、国際空港の近接地(成田市天神道場)に敷地面積92,700㎡で工事が進められており、移転に向けて現・成田公設地方卸売市場では場内業者の移転支援策等を説明し、最終的な移転業者を確定する。
現・公設市場内の業者は、青果が卸1社、仲卸5社。水産は卸1社、仲卸26社。