卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

成田新市場関連棟は仕切り直し

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2022年1月開場予定の成田新市場の関連棟は成田市が直接整備することが決まった。
令和3年5月28日、成田市公設地方卸売市場運営審議会が開かれ了承された。

成田新市場は、青果、水産の公設市場部分と高機能物流棟を除く施設は民間による整備、運営を行うことになっていた。
民間部分は、成田空港の訪日外国人を対象にした交流・集客施設(5500㎡)や輸出機能関連、それに現市場の関連事業者を対象にした関連棟(3000㎡)である。

集客施設はコロナ禍で来年1月の市場開場から遅れることになっているが、関連棟は会場と同時オープンの計画であった。
しかし、関連棟を整備運営する予定であった(株)成田流通センターは、現市場から移転入場するテナントの見通しが立たないこと等から施設整備が遅れていた。

入場する市場関係者からは関連棟の同時オープンも要請されており、入場を希望する関連事業者からも民間ではなく公設の施設とするよう要望が出されたこと等もあって、成田市の責任で整備し、スムーズな開場を目指すことになった。

しかし、入場する関連事業者が何社になるか不明なまま行政が施設を整備できるのか、店舗数・面積や使用料の設定を行ない、コロナ禍で関連事業者の誘致がどこまで進むか、集客施設と関連棟の一体化の案もあっただけに、行政が責任を持ったとしても来年1月の開場には間に合いそうもない。

本体部分の工事は順調で秋口には高機能物流エリアの基幹部分は完成する予定であり、輸出事業を行う民間企業の先行開業も検討されているようだ。