今年も師走を迎え、どうやら無事に年を越すことができそうです。
若いころ高齢の方から「何歳にみえる?」と聞かれて困った経験があります。
当時は、50歳以上は皆「年寄り」で一括りでしたから「関心ないし分かりません」と答えるわけにもいかず、いくつと言えば喜んでくれるのか、真剣に考えたことを覚えています。
いま自分が他人から「おいくつですか、若いですね」と言われる歳になって、
「いつ見てもさてお若いと口々に褒めそやさるる歳ぞ悔しき」(江戸川柳)という境地を思い知ることになりました。
現代は長寿化が進むとともに、肉体そのものの老化が緩やかになっていますから、「若く見える」のでなく現在の姿がその人の年齢相応なのではないでしょうか。
まあ「若いままでいる」という錯覚もあながち悪くはありませんが。
この長寿化はどこまで進むのでしょうか。
平均年齢100歳時代がくるかどうか私は見ることが出来ませんが、こうした高齢化社会を実現させた最大の要因は、医学の進歩による死亡率の低下と食糧生産の増加です。
西暦元年ころの世界人口は1億〜2億人と推定されていますが1900年には約16億人となっていて、この間の年間人口伸び率は0.9%です。
そして1950年には約25億人、2000年には約60億人と、初めの50年間で9億人(伸び率0.9%)増え、後の50年間で35億人(同1.8%)増えています。この1.8%で今後も増えると21世紀末には350億人になるそうです。
多分この数字は地球が拒否するでしょうし、机上計算であることは誰もが分かりますから大騒ぎにはなりませんが、いわゆる人口爆発問題は今も世界規模で論議されている課題であることは事実です。
21世紀の初めのころは、20世紀の反省として環境汚染・人間性の喪失・成長の限界等が盛んに論議され、シューマッハーによる「スローフードの提唱」等がなされてファストフードと並ぶ地位を得るようになりました。
21世紀の食糧問題はこうした反省の上にたち「持続的成長から持続可能な成長へ」という位置付けになってきました。
そして「持続可能な社会」に向けた課題が今、世界的に論議されているSDGsです。日本でも多くの企業が掲げています。
このSDGsは、貧困や飢餓、ジェンダーなど17の課題解決を目指す目標ですが、日本でも現在進行形で広がっているのが現状です。
努力目標に終わらせないに私も社会の一員として関わっていきたいと思っています。