卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

バイキングは儲からない

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地元の図書館隣にあるビジネスホテルは、千円昼食バイキングを止めてしまいました。
高校生の集団が山盛りのお代わりを食べまくる現場を何度も見ていましたので、無理もないなと思いました。

バイキングの起源は帝国ホテルです。1958年(昭和33年)の新館オープンの際、新しいタイプのレストランとして北欧の伝統料理スモーガスボードを採用し、ちょうど上演中だった映画バイキングの海賊たちの戦勝祝いをヒントにして「インペリアル・バイキング」にしたそうです。

帝国ホテルのバイキング価格は、当時は昼1200円、夜が1500円です。
安い!と思いましたが昭和33年です。
当時の帝国ホテルの宿泊料が一泊1800円だそうですから、やはり高い!(内林政夫『西洋たべもの語源辞典』2004、参照)
帝国ホテルの話を教えてくれた知人のグルメ夫人は、グループ4人でHホテル中国料理店に1日2組限定1人1万2千円のバイキングに行ったそうです。

作戦を立て、事前にメニューと価格を調べ、食べる順番を決め、フカヒレ、伊勢海老からスタートし、北京ダック、肉・野菜料理に移り、再び海鮮に戻って計62種類を踏破、正規の料金を計算すると1人23万円になったそうです。
この企画はすぐに中止になった。そりゃそうでしょう。

バイキングの敵は高校生だけではありません。お金と暇をふんだんに持つグルメ夫人はさらに無敵です。