卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

グローバル化の功罪

2019年もまた、政治、経済のグローバル化による激動の一年となりそうだ。

2018年12月の入国管理法の改正による外国人労働者の受け入れ拡大など、労働環境もまた国が進める働き方改革によって大きく変わるだろう。

 

卸売市場業界にとっても、今や外国人労働者は欠かせない存在だが、顧客としての比重も高まりつつあり、築地場外市場では外国人観光客の方が多いのではないかと思うほどである。

飲食業界では中華料理がすでにそうであるように、日本料理もまた多くの国の人に受け入れられる日本料理に変貌していくだろう。

寿司なども外国では魚よりも他のネタが多いようだが、それが日本のチェーン寿司店でのメニューの多様化となって逆輸入されている。

こうした流れに沿った商品開発は今後も進むだろう。

 

食文化だけではない。

スポーツの分野でも、南米からの労働者が多い地域では子供のサッカーのレベルが飛躍的に向上しているということだが、サッカーやラグビーでは世界のトップ選手が日本のチームでプレーすることも珍しくない。

 

変わったグローバル化もある。

昨年、北関東の電車で路線を聞かれた外国の方から「私は宣教師でA市に教会があるから来てくれ」と経典を渡され、いわゆる新興宗教の勧誘を受けた経験をした。

 

グローバル化は文化だけではない。トラブルもグローバル化している。

数年前のことだが、築地場外市場の通りで外国人ツアーの女性と軽くぶつかったことがあり、謝ったが大声で怒鳴られてびっくりした。

女性の言葉はまったく理解できなかったが内容は十二分に理解できた。

怒るときは母国語で怒る方が意味は通じやすいと聞いたことがあるが、まさにそうだと思った。

また、品川の交差点で日本人とインド人が英語で罵り合っていて、日本語混じりの英語の罵声にインド人が激昂し殴りかかろうとするのを夫人が必死に止めているのを見て、日本人の語学力も上がったものだと妙に感心したことを覚えている。