卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

路面電車が好きだ

f:id:chorakuan:20220404091918j:plain

ビルの谷間の春も去った(4月1日/日比谷公園)

ささやかな収入だが一応、確定申告を行なっている。
経費を整理していて驚いた。コロナ禍の中で、どういうわけか、昨年2021年は16回出張に行き宿泊していた。

会社勤めの頃は寸暇を惜しみ、サウナに泊まって出張経費を浮かし、各地の温泉に入った。酒が飲めずグルメでもないのでただただ温泉に入るだけである。
そうした生きる意欲というか生きるエネルギーが枯渇し、最近は少々時間があっても早く帰るようになった。

ただし早く帰ると言っても飛行機より新幹線、新幹線より電車、電車よりバスが好きである。
お金がないせいもあるが、タクシーの狭い閉鎖空間に運転手さんと二人きりになると、何か話さないと気詰まりな感じがして、駅から遠い卸売市場に行く時もなるべくバスを使うか歩く。
富良野に行った時も歩き回り、1万数千歩になった時はさすがに疲れた。

バス以上に好きな乗り物が路面電車である。

最近各地で増えているが、広島、岡山、高松、愛媛、熊本、函館など、いつ見ても、どの街で見ても好ましい姿をしている。
わたしの故郷、長崎は坂の町なので歩くのが大変である。
若い頃、長崎の路面電車をもう少し延ばして欲しいと思っていたが、後年、路面電車は少し勾配がきついと動けないと聞き、おーそうなのか、平地しか動けないのか、私もそうだよご同輩!と一層好きになった。

路面電車は非効率だから姿を消していたのだが、車社会が成長し一人一台の車が道路をふさぐと社会的には極めて非効率な移動手段となる。
今、地方の空洞化が言われ、電車もバスもなくなり移動手段は一人一台の自家用車という車社会になったが、最近、地域コミュニティバスが増えている。
乗客も運転手も高齢者である。一人100円〜200円程度で、ゆっくり走る路面電車や路地裏まで回るコミュニティバスが利用できるようなら、その方が社会的効率性は優れているだろう。

人は効率性だけで生きるにあらず、とは怠け者の弁解かもしれないが、徹底した効率化は行きつくところ非効率にならざるを得ないのではないか。