卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

改正市場法と市場施設整備のあり方−サウンディング型市場と物流効率化が焦点に(下)

改正市場法と市場施設整備のあり方−サウンディング型市場と物流効率化が焦点に(上)の続き 3.「サウンディング型市場」とは何か 最近、卸売市場の再整備に「サウンディング型市場調査」の手法が使われ始めている。これは国交省が平成30年に出した「地方公…

改正市場法と市場施設整備のあり方−サウンディング型市場と物流効率化が焦点に(上)

(上下2回に分けて全国水産卸協会の会報「全水卸」2020年11月号に掲載された記事を掲載する) 2020年6月21日に改正卸売市場法が施行され、卸売市場の再整備についても新しい動きが始まった。 農水省の金澤正尚 卸売市場室長は9月に行った講演の中で中央卸売…

神明が東京中央青果に30%出資−神明グループ1300億円で全国3位に

写真右から握手する神明・藤尾社長と鈴木・中央青果社長、吉川・東果大阪社長。この三人が神明青果流通事業の中心となる 神明ホールディングスが東京中央青果発行済み株式総数の30%を取得する。神明の藤尾益雄社長と東京中央青果の鈴木敏之社長が2020年12月…

金沢市中央卸売市場再整備−公設維持・現在地建替え・花き市場編入が前提

コロナ禍の中で、改正卸売市場法を待って動き出した卸売市場再整備が全国に広がっている。卸売市場再整備にあたってのハード面の最大の課題は、PFI(民間資金の導入)である。民間企業からの企画・提案を待って再整備を行うプロポーザル方式は既に一般的に導入…

改正市場法下での市場整備−PFI導入と市場機能・市場外企業の共存

改正卸売市場法が施行されたことで、全国の公設市場で再整備の取り組みが増えています。ざっと挙げただけでも、 中央市場では、広島、姫路、金沢、浜松、川崎北部、奈良、和歌山があり、 公設地方市場では、飯塚、福山、尼崎、千葉、船橋、柏、木更津等の市…

千葉市場再整備は三菱総研が受託

東京商圏の市場機能を模索する千葉市場(千葉市地方卸売市場概要H30年度版より) 開設43年を経過し、再整備に直面している千葉市公設地方卸売市場(千葉市場)はこのほど、再整備に向けた経営戦略を含めた工事手法や基本計画などの策定を三菱総研に委託する…

令和3年度予算概算要求事業(2)水産バリューチェーン事業

令和3年度予算概算要求事業(2)として、水産庁関係の予算要求事業の中から「水産バリューチェーン事業」を紹介する。令和3年度予算概算要求額は 1,750(742)百万円。 (出典) 88.水産バリューチェーン事業 〈対策のポイント〉 競争力のある加工・流通構造…

令和3年度予算概算要求事業(1)食品等流通持続化モデル総合対策事業

令和3年度予算に対する農水省の概算要求が明らかになった。全体の概算要求は多岐に渡るので、その中から食料産業局食品流通課関連の概算要求を紹介する。 食品等流通持続化モデル総合対策事業は「新しい生活様式」となっているように、コロナ禍のもとで、特…

農水省組織再編−食料産業局は解体

2020年9月23日、農林水産省は自民党農林合同会議に対し2021年度予算に向けた組織・定員要求の説明の中で、新たに①輸出・国際局、②農産局、③畜産局、の三つの局を新設する組織再編案を示した。年内には決定し、令和3年4月1日からの実施を目指している。…

第22回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー〜HACCPの講演を聞く

例年の三分の一規模で行われたシーフードショー 2020年9月30日〜10月3日まで東京ビッグサイトで行われた「第22回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」に行った。コロナ禍で規模・入場者数は例年の三分の一となったが、それでも商談会などの機…