卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

カーネーション売れる−コロナ禍での母の日

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母の日プレゼントはこんな花も嬉しい

イベントや冠婚葬祭などで花の需要は大きい。今年は花の消費も落ちていると思ったが、母の日のカーネーションが数年ぶりに良く売れたという。
県を超えた移動自粛の影響で、帰省できなかった人たちが花を贈った影響だろう。
園芸店にも鉢の花を買う客が目立つ。自宅で過ごす時間が多くなり花を求める気持ちの表れだろう。

母の日はアメリカで生まれ、想いを託す花詞とともに世界に広がった。日本は明治末ごろから広がったと言われているが、花のカジュアル化が進まない日本でも急速に普及し社会に受け入れられた年間行事として定着した。

花は人の気持ちに寄り添ってくれる。
カーネーションに気持ちがあるのではなく想いに花が寄り添う。
花詞で選ぶこともあれば花の色で選ぶこともあるだろう。それが人の想いであり情である。
ネットでは「母の日に選んではいけない色」などあるが、これは人の想いに添っていないと思う。情ではなく理である。

「団子より花」を大事にしよう

「生活を支えるものは食のみにあらず」と言っても、食に困る人が増えている社会を疑問視しない訳ではない。気持ちの支えは生活の支えであると言いたいだけだ。

また「文系より理系、実学重視」の社会が広がりつつあるが、経済社会を支える基本を見失っていないだろうか。

花の普及はそうした狭い社会を発展させるための大きな役割を担う公共的使命を追っていると思う。

母の日は、花の流通を支える関係者に消費者の一人として感謝する日でもある。