卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

卸売市場のドライブスルー販売広がる

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高崎市場のドライブスルー販売(2020年4月26日付け上毛新聞)

卸売市場のドライブスルー販売方式が広がっている。

明石市場、川崎南部市場、高崎市場などで始まり全国的に広まりつつある。

いずれも公設地方市場で、外出自粛で売上が急減している卸売市場業者が、安全安心な販売で消費者に食材を提供しようと始めたもの。

 

明石市公設地方卸売市場は、市場内に事務局をおく明石給食食材提供協会が青果、水産の卸、仲卸など6社の協力で2020年5月1日から毎週火曜日と金曜日の二回、給食商材等をセットにして1ケース3千円で100セット売る。5月1日と8日の分はすでに予約で完売、市民の思わぬ反響を呼んでいる。

 

高崎市場は4月25日に実施、こちらは水産仲卸会が卸の群馬県水、関越冷蔵の協力で実施、水産物6品セット2千円。販売は当初50セットを予定していたが、反響が大きく、当日は2時間で250セットを完売した。

 

川崎南部市場は花き卸の川崎花卉園芸が実施、関連会社のジャパン・フラワー・コーポレーションのHPで予約を受け、販売する。セットは切り花50本で3千円か、あるいは青果仲卸から提供を受けた野菜10キロセットにマスク用の布巾を付けて3千円。

 

明石は青果主体、高崎は水産主体、川崎は花主体と分かれたが、共通するのは地域市場の地方市場で定期的な市場開放販売を行なっている市場。

密接・密集・密閉の感染予防で中止となっていることから市場開放の参加者から要望が出されていた市場で、販売商品、販売方法も3市場それぞれに違うが、実施結果はいずれも予定を上回る成果をあげている。

 

大田市場や豊洲市場のような大型拠点市場では難しい販売方式だが、広い駐車場を持ち施設の空き時間も多い地域市場では十分可能な販売方式である。

他市場からも注目を集めており、ドライブスルー方式による販売は今後さらに全国的に広がるだろう。