卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

ESG、SDGsとは何のことだ

先週、セミナー「普及するESG 食品産業の取るべき行動は!〜SDGsも活用する新たな経営戦略」を聞いた。

なぜ聞いたかというと、テーマが全く分からないからである。

ESG SDGsとは何だろう、サッパリ分からん。

「普及するESG」って、何が、どこで、どう普及しているのだろう。
市場のことしか興味を持たないと浦島太郎になってしまいそうだ。

それで聞いた結果はどうか、何となく分かった気がしないでもないので、以下は自分で理解するためのメモである。

ESGは( Environment Social Governance、環境・社会・統治)で、昔はEES (エコノミー、環境、社会 )だったが、企業の不祥事が続出したことでGovernance(統治)が重要になった。それまで利益優先だったが今は見直され始めたということだろうか。

そうとは思えないし日産や東芝などのどこにGovernanceがあるのか、ガバナンセンスではないのかと思うのだが。まあ、単なる心構えの問題ではないだろうか、違うかな

SDGsは Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)で、国連加盟193国が2016年から2030年までの15年間の達成目標である。

貧困、飢餓、福祉、教育、ジェンダー、水とトイレ、エネルギー、経済成長と雇用、インフラ、不平等、持続可能な都市、持続可能な生産と消費、気候変動、海洋資源、陸上資源、平和、実施手段・グローバルパートナーシップの17目標がある。

この目標には誰も反対しないだろうが、15年間で達成できるとは誰も思わないだろうと私は思った。

農水省出身の講師の方の話では、「五輪、万博の発信基準になりつつある、投資家の投資基準にもなって来るだろう、やらない企業は評価されなくなる、大阪では万博に向けて大きな関心を集めている」らしい。知らなかった。

一つだけでも達成して欲しいと思うが、これらの目標は企業よりも政府の課題になるだろうし、政府幹部や女性議員からの女性差別発言が相次いでいる今の政府にジェンダーの解決は難しいだろうし、統計上は、暮らしは良くなっているらしいが、良くなっているのは「平均値」だけのようだし、自衛隊はすでに、対外的には陸軍、海軍、空軍の名称を公式に使っていて「平和」よりも「平和のための軍事」が達成目標のようだし、EUのグローバルパートナーシップは崩壊寸前だし、実現できそうなのは、トランプ大統領、金首席、安倍首相、プーチン大統領のパートナーシップくらいか。

具体的な省エネ優良事例として、日本ハンバーガー協会の食品廃棄物の削減活動が紹介されていた。

「ISO14001の更新や使用期限の短い原料の廃棄を見直した生ゴミの削減」も重要だろうが、コンビニの恵方巻の馬鹿げた押し付け販売や弁当類の大量廃棄をコンビニ本部に止めさせる方が省エネ優良事例となるのではないか等々、役に立たない後ろ向きの感想ばかりを持ったが、こうしたことをぼんやりとでも思いながら聞くことができる、知らないことを知った意義のあるセミナーだと思った。