卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

神様と芸人

伊勢神宮と出雲大社はどちらも好きです。
特に出雲大社の白く枯れたヒノキと白砂は人智を超えた荘厳さです。

神存月(かみありづき)10月に、出雲大社に集まる神様が、宿泊するのか会議をするのか知りませんが、日本中の神様が集まる場所が本殿ではなく、小鳥が止まる程度の狭く粗末なことに仰天しました。
本殿が改修されて、神様の宿泊場所もグレードアップしたのでしょうか。
神様は実体がありませんから物理的な空間は不要なのでしょう、仏教でいう「色即是空 空即是色」(在るものは無い、無いものは在る)と同じではないかと思います。

残念なのが門前通りで、観光バスが奥の駐車場まで行くので土産物店や食堂にきてくれません。閑散としています。大通りに立派な観光施設があって、そちらに行くのです。
神様の実家で、地域商店街とショッピングセンターのような現実を見て複雑でした。

伊勢神宮は、赤福の「おかげ横丁」など広く観光客を集めています。
神様仏様のいる場は、食べ物を売り、食べさせ、芸事を見せる場でもありました。
相撲取りや役者は必ず神社詣でしますし、市場と神様は今も親戚付き合いをしています。
芸人と反社会団体との関係がニュースになっていますが、いわゆる「ヤクザ」映画では、事務所に必ず神棚があってよく柏手を打つシーンがあります。

今はどうなのかわかりませんが、これは神社、仏閣で開かれる門前市を仕切っていた名残ですし、芸人の全国巡業なども昔はこうした業界が受け持つ仕事でしたから、そうした世界では、役者・芸人・歌手などを大事にしていたでしょう。飯のタネですから。

 

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ここでお茶を飲み 赤福を食べました(赤福HPより)