卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

改正市場法による売場の変化‐施設は小さく機能は大きく・京都市場塩干棟

完成した京都市場塩干棟。右が売場、左は冷蔵庫 (「全水卸」2023(令和5)年7月号より転載・一部修正) 改正市場法による規制緩和によって、卸売市場施設もまた変わりつつある。令和5年に入り、姫路新中央市場が1月に移転開場したのをはじめ、富山市場青…

まちと共存する都市型卸売市場‐京都中央市場見学者コース紹介

京都中央市場水産棟の整備が完了した。令和3年の鮮魚部門に続き塩干部門が令和5年3月に完成、引き続き青果部の整備に入る。塩干部門は鮮魚部門に比べると規模は小さいが、売場に独特の工夫があり、塩干仲卸組合と京都市の協力で「売り場のあり方」と「組…

市場施設における卸売場・仲卸売場の変化‐「販売する場」と「物流動線」をセット

(「全青協」2023(令和5)年6月号より) 物流の重要性が高まるとともに、市場施設における卸売場、仲卸売場が大きく変化しつつある。 取引面での規制緩和によって、卸と仲卸の機能は重なる部分が増えている。とりわけ、物流部門は搬入から搬出までの施設内…

総務省アドバイザー支援制度の活用‐PFIの変化による再整備と開設のあり方

私は数年前から総務省管掌の公設市場経営マネジメントアドバイザーをやっている。改正市場法制定前は、依頼を受けた自治体に1回行くだけであったが、結局、1回だけでは済まず、何回もやりとりすることになった。 2年前に補助事業となり年間5回まで国の負…

余剰地の活用‐円満な三角関係が築けるか

各地で取り組まれている市場再整備で大きな問題となっているのが「余剰地」である。典型は富山市場である。市場用地全体を民間に定期借地権を設定、約三分の一を余剰地とした他、公設市場部分も民間が整備、建設し、その施設を行政が借りる方式である。 多く…

国立劇場のサクラ見納め

東京三宅坂の国立劇場三月歌舞伎に行った。 2023年9月、国立劇場は建て替えのため閉場される。歌舞伎、文楽、落語・漫才など伝統芸能は、多く国立劇場で鑑賞してきた。 コロナになって休演が続き、再開しても入りは極端に悪くなっていた。三階席はいつもガラ…

買参新規参入ルール・奨励金改革が焦点に‐新規参入実態調査と参入障壁対応

全国的に整備が進んでいる(3月15日に開業した姫路市中央卸売市場) (農林リサーチ23年4月号より) 各地の市場再整備が進んでいる。令和4年度は1月に入り、冨山、姫路、京都で相次ぎ新施設が完成・開業しているほか、金沢、奈良、大阪、東京など、各地…

豊洲に次ぐ閉鎖型市場完成‐3月13日開業姫路市中央卸売市場開業

完成した姫路市中央卸売市場(2月19日) 姫路市中央市場の移転開場記念セレモシーを取材した。開業後の様子も取材するが、とりあえず2月19日に行われた開場記念式典の模様を紹介する。 (農林リサーチ23年3月号より) 2月19日式典、3月13日開場 令和5年3…