秋の訪れを感じる季節になりました。今年も猛暑となった8月、ウナギ蒲焼と牛ステーキを食べました。
多くの人が猛暑の夏はウナギを連想します。「土用丑の日とウナギ蒲焼」がどう関係するか、難しいことは知りません。クリスマスのチョコレートはキリストのおかげ、夏のウナギは平賀源内のおかげではないでしょうか。
数年前、仕事で高知県四万十市に何回か行った。四万十川といえば清流の代名詞であり全国に通用するトップブランドである。四万十川沿いの鰻屋に入ると「天然ウナギの本日入荷はありません。ご希望の方には入荷したら連絡します」と張り紙があった。
ウナギは汚染された水域では生育が難しい河川浄化のシンボルであり、近年、全国的に河川の水質保全が進み、ウナギのいる河川が増えている。四万十川でも増えているのだろう。
私は高い天然ウナギを食べたことはないが、さっぱりとした肉厚にタレが沁みる上質の養殖ウナギ蒲焼の食感が好きである。四万十の方と新橋の大和田でウナギを食べたが「こんな美味いウナギは初めてだ」と言われ、驚いた。
余談だが四万十市には公設市場があり、名称は「幡多公設地方卸売市場」である。古くから幡多地区と言われていたからだが、幡多市場よりも四万十市場の方が良いのではないだろうか。
夏にウナギが良いならステーキも夏に良い。私は60歳を過ぎた頃から意識的に肉を食べるようになった。
築地で働いていた時は、当然魚がメインで、肉はあまり食べなかったが、築地場外の新橋寄りにステーキハウス「築地さとう」があり、和風の高級料亭らしい佇まいで敷居が高かったが、ランチは安く昼前には行列ができるようになったので時々行った。
写真は8月に永田町の砂防会館前にあるステーキハウス「アンカーポイント」で食べたサーロインのステーキである。
地下鉄永田町駅を出て右に行くと国立劇場・演芸館があり、左に行くと自民党本部や砂防会館がある。右は文化地区、左は非文化地区で、その中の海運ビル1階にあるオアシスがアンカーポイントである。
写真でも分かるように肉の塊を塩コショウし、薪火で豪快にグリル焼きしたハーブの香り高いステーキである。
高齢者は柔らかいサイコロステーキが一番と思い込んでいたが、分厚いミディアムステーキを慣れないナイフで切り分けソースをかけない肉の美味しさを味わった。永田町に住む高齢者はこんなステーキが権力のエネルギー源となるのだろう。
海洋大学時代、天王洲アイルの運河の上にある欧米人の客が多いステーキハウスに同僚の教員と二人で行き、何グラムのステーキを注文するか、二人とも周囲の欧米人に見栄を張って完食に苦労したことを思い出した。
何回も食べることは体力、財力ともに困難だが、私にとって残暑厳しい中、無事に9月を迎えることが出来ればそれだけで毎日が祝日である。アンカーポイントとはいかないが、近くのロイヤルホストでオージービーフを食べようと思う。