市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

京都・八戸・小浜の食日記

八戸のヤギ

八戸のヤギの食事

梅雨明け宣言もないまま、連日の猛暑が続く7月上旬、京都、八戸、小浜に行った。
どこも暑かった。京都と八戸を続けて行ったが同じ暑さでも違う。湿度の差だろうか。
八戸駅から徒歩20分の熊ノ沢温泉に行った。道路を挟んだ草原で山羊が草をのんびり食んでいた。

京都の夏

京都の夏は暑く、冬が寒いのは誰もが知っている。それでも行くのは京都だからである。業界紙時代から何十回と行っている。
全国中央市場の仲卸組合で組織されている全水卸組連の総会は、東山を眼前にした壁一面がガラスになっているホテルである。舞妓さんの踊り、三味線を楽しみながらご馳走をいただいた。
京都の夏といえばハモとアマダイである。大皿に盛ったハモを梅肉ダレで食べたのも、アマダイの鱗焼を食べたのも全水卸組連である。関東地区連は当然マグロである。早山豊会長になって9年目、今年もご馳走様でした。

甘鯛(グジ)の鱗焼き

ウロコを焼いた淡白な甘鯛(グジ)にバジルやフレッシュトマトの濃厚なケッカソースがよくあう。

甘鯛(グジ)の鱗焼き

フォアグラのモンブラン仕立て

フォアグラの小さなモンブラン仕立て。ナイフで切ってみた。モンブランケーキは好きなだけに濃厚なフォアグラの味と抹茶の香りは驚きだった。

フォアグラのモンブラン仕立て

さざれ石は巌となる

食べ物の話ではない。
国歌の「さざれ石の巌となりて苔のむすまで」の言葉は、古今和歌集の読み人知らずの歌らしいが、永遠という意味の比喩的な表現だと長く思っていた。50歳を過ぎ実際にさざれ石が巌となることを知った。
たまたま行った下賀茂神社で実際にあるのを見て驚いたが、今回は京都でもっとも古い神社の「賀茂別雷神社」(かもわけいかづちじんじゃ。通称:上賀茂神社)にも、さざれ石があると聞き、若い頃には下賀茂神社から賀茂川沿いに歩いて行ったが、さすがに今回は無理で、せめて北山駅から歩いて30分ほどかけて行った。汗だくになった。社務所の上がり口にあった。
下賀茂神社ほど全体は大きくないが、一つ一つの石が大きく、さざれ石でなくともくっつくことがあるのかと興味深かった。
時の力は人智を越える。自然がつくる神の姿は様々である。

さざれ石

小浜食べ歩き

小浜に年数回は行く。
自宅からは米原―敦賀―小浜のルートと、東京―敦賀―小浜のルートがあるが、敦賀―小浜は本数も少なく、どちらのルートも自宅から4時間以上かかる。
北陸新幹線「小浜・京都ルート」が正式決定した。
小浜―京都ルートができれば京都から19分というから北前船の廻船問屋で栄え、さば街道の起点でもある小浜が再び脚光を浴びるだろう。昔の栄光は、今も小浜西組、三番町といった地名に残されている。

850円の日替わり定食

小浜市場の前にある店「響」で食べた。昼時は行列ができる。その理由はこの日替わりメニュー850円である。箸も「若狭塗り」。食堂というレベルではない。

小浜日替わり定食

焼き鯖とマスのおにぎり

マス寿司が有名だが、これはマスと焼き鯖のおにぎりである。おにぎりの具は中にあるのが普通だが、このおにぎりは具がご飯を覆っている。
マスの身も厚く食べ応え十分な450円である。ご当地でしか食べることが出来ない味と価格だろう。私のお気に入りである。

焼き鯖とマスのおにぎり

夜の宴

朝食のみの宿泊なので、夜ご飯に何か買おうと入ったフィッシャーマンズワーフで売っていた。
アナゴ寿司と小鯛寿司、それに刺身盛り合わせ。幸せな夜だった。
一品1200円の安さなのに、時間が遅く半値だった。全部で1800円。

アナゴ寿司と小鯛寿司、それに刺身盛り合わせ
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