前回掲載した写真は20世紀最大のイタリアの彫刻家ジャコメッティである。日本の哲学者矢内原伊作と親交がありモデルとなった。
ジャコメッティは、見た通りに対象の本質を彫る。そうすると、どんどん小さく細くなっていく(実際小さな彫刻が多数ある)。彫刻の実存主義である。
矢内原は、ジャコメッティが矢内原のデッサンをことごとく破いて勿体無いと思ったり、パートナーはいたが三食とも近くのレストランに行き、指定席でナプキン等にデッサンを描いていたり、生前、すでに世界のトップになっていたが、画商に作品が高すぎると文句を言ったりしたという日常生活を『ジャコメッティ』という本に書いている。
この写真は2017年6月に国立新美術館で開かれた「ジャコメッティ展」で撮ったものである。
通常、美術館で写真を取ることは禁止であるが、撮ってもいい作品が一室に並べられていて、晩年の代表作である。
「歩く男」「大きな頭部」(男性)、「大きな立像」(女性)があった。男性は歩き、女性は立つ彫像が多い。
無断掲載にならないか気になったが、「営利目的で使用してはならない」と注意書きがあったのでいいのだと思う。
自粛期間中で時間があるので、この機会に私の好きな美術館についてまとめた。多くは現在休館である。全く個人的な覚書のようなもので見当違いな点はあると思う。
私の好きな美術館ベストテンをあげる。