HACCPの義務化まで2年を切り、業界でも慌ただしい動きが出ています。
厚労省基準AとBは取扱規模によって決まる可能性があったことから、取り扱いが大きい市場卸は基準Aとなり、厳しいCodex基準が義務つけられると言われていました。
しかし、市場業者は製造業ではなく流通業であり、最終的には魚屋と同じ基準Bとなるようですから、現在すでに行っている一般衛生管理を文書化し記録すればクリアできることになり「CP」(コントロールポイント)の設定も、場合によっては無くとも良いと言われています。
先日、築地市場の卸「第一水産」で一年前に取得した食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」と国内規格「JFS-C」について聞きました。
筑地でHACCPがとれるのか疑問でしたが、「FSSC22000」は食品安全マネジメントシステムである「ISO22000」を具体化した一般衛生管理プログラムであり、食品製造業を対象とするHACCPと違い、施設が対象ではなく食品安全のための管理マネジメントですから築地市場の卸でも十分取得可能です。
第一水産の取組に学び、築地市場青果部の卸「東京シティ青果」も今年1月に取得しています。
全水卸や全水商連、全魚など対象全国団体も会員企業向けの手引き書つくりにのりだしており、必ずやらなければならないという面では改正卸売市場法よりも緊急性があります。
第一水産のプロジェクトチーム事務局を担当した倉澤陽介氏から次のような的確な説明をして頂きました。
伺ってみれば、他社でも十分取り組める内容です。
豊洲で何が必要か、延期なら筑地でどうすれば出来るのかという視点は、技術の問題では無く経営視点の問題です。
他社に先駆けて初の認証取得に成功した第一水産の取組は、施設の問題では無く卸としての姿勢であることをハッキリ示しています。
豊洲移転を前に、第一水産の存在感・ステータスは上がっていると感じました。