前回、パーソナル情報システム(P J S)の「第33回生鮮流通フォーラム」を紹介した。
金澤室長が講演した「改正卸売市場法の施行と今後の食品流通の合理化の推進について」は、改正市場法後の市場施設の整備を考える上で重要な方向を提示している。
金澤室長は、改正市場法の概要を説明した後、市場再整備の現状について報告し次の通り報告した。
金澤室長は、その後に農林水産省、経済産業省、国土交通省の三省による「食品流通合理化検討会」の第1次中間取りまとめを説明している。
中間取りまとめは、令和2年4月に公表されたが、主要なテーマは青果、水産の第一次産業のサプライチェーン効率化であるが、興味を引くのは章立てである。
第1章が「物流の現状と政府全体の動き」でドライバー不足の現状と「ホワイト物流」の推進について述べ、第2章「食品流通の現状」でも同じくトラック輸送が食品流通の97%を占めていて、物流経費がいかに負担になっているかを詳細に説明している。
そして第3章「食品流通の合理化に向けた取組について(検討会の設置)」において課題は「トラックドライバーをはじめとする食品流通に係る人手不足が深刻化する中で、国民生活や経済活動に 必要不可欠な物流を安定確保するには、サプライチェーン全体での流通合理化に取り組む必要。」であるとしている。(太字は原文のママ)
この流れを見ると、この検討会は「農林水産省、経済産業省、国土交通省の三省合同」になっているが、論議の中心は「食品流通の課題」というよりは「食品流通における物流の課題」と解する方が正しいだろうと思う。
個人的にこれにケチをつける気はないのだが、中央市場でも64市場のうち23市場が開設して40年以上経過しているにも関わらず、再整備が具体化されていないのである。
千ちかい地方市場にいたっては、老朽化され再整備が必要な市場がいくつあるか、数え切れないほどだろうと思う。
せめてその中で大型地方市場は、国の方針を踏まえた再整備計画を進めるべきではないかと痛感する。