写真右から握手する神明・藤尾社長と鈴木・中央青果社長、吉川・東果大阪社長。この三人が神明青果流通事業の中心となる
神明ホールディングスが東京中央青果発行済み株式総数の30%を取得する。
神明の藤尾益雄社長と東京中央青果の鈴木敏之社長が2020年12月4日、神戸の神明本社で記者会見し資本業務提携契約を締結すると発表した。
東京中央青果は豊洲市場の「東京シティ青果」の100%の株を保有する親会社であり、神明が東京中央青果の株式30%を保有するとファーマインドを上回る筆頭株主となる。
神明の「青果流通事業」部門は東果大阪、岡山大同青果、成田青果を有し約500億円、これに東京シティ青果800億円を入れると、神明グループの取扱高は約1300億円となり、東京青果、R&Cに次ぐ青果卸第3位となる。
発表によると、神明による東京中央青果株式の買付内容は以下の通り。
豊洲市場では11月に水産部上場一部卸「東都水産」が麻生グループの傘下となり、続いて東京中央青果の筆頭株主に神明と驚きのニュースが相次いでいる。
つい一週間前には豊洲でコロナ感染者が累計で140名となったことがニュースとなったが、このコロナ禍における市場流通の低迷も市場再編の後押しとなっている。
記者会見で藤尾社長は、農業の衰退と世界の食糧危機に重大な懸念を表明しており、創業以来70年、米の販売を専業として伸びた神明として、米と野菜によってグローバル経済の危機下で国民の食生活を支える食料自給率のアップに貢献したいとの強い思いを語っていた。
その思いで今後も米及び加工米、野菜、水産と次々に開拓しようとする神明の動きは食品流通の大きな流れの一つとして広がることが期待される。