熊本で行われた全青協秋の大会と豊洲市場で行われたパーソナル情報システム(PJS)の生鮮フォーラムに参加した。
いずれも100名を超す参加者があり盛況だった。
とりわけ豊洲市場で行われた生鮮フォーラムは、戎井卸売市場室長司会が司会進行を務め、市場再整備のあり方をテーマにしたパネルディスカッションである。
おそらく市場関係のフォーラムでは初めての企画だろう。
市場整備をテーマにした石巻青果市場の低コスト・高機能の施設整備や、富山市場の卸と仲卸の事業協同組合による施設整備の議論は、あえて地方市場の施設整備先進事例を取り上げた議論を通して、国が目指す市場再整備はどのような方向なのかをはっきりと示している点で興味深かった。
第二部も、北九州青果と横浜丸中青果の市場間連携、北九州市場における中央市場開設者と市場業者の求める機能強化施設の早期建設の折り合いをどう付けるかの論議など、再整備に直面している公設市場の開設者にとっては大きな参考事例となっただろう。
また全青協秋の大会は、全国組織の大会としては異例の催しだが、組合員のための学習と交流の場という趣旨を存分に活かした会となった。
今までの形式的な懇親の場では物足りないという月田会長と堀R&C社長の意向で会員卸の本音で語り合う内容となった。
その成果はパネルディスカッションが終わり第二部の懇親会に移ってもパネルの熱気がそのまま持ち込まれたように各テーブルでの意見交換が盛んだった。
残念ながら、その内容は外部には出さないという約束なので書けないので5つのテーマだけをあげる。これだけでも面白い論議であったことがわかると思う。
- 伸びる企業と伸びない企業
- 産地との付き合い方
- 販売強化はどうすれば良いか
- 総活躍組織のつくりかたとは?
- 卸売市場のデジタルトランスフォーメーション
私は会報「全青協」の執筆者という資格で参加させてもらったが、非常に満足した会となった。
ただ心配になったのが、こうした会を毎年開催するのは難しいのではないかということである。
せっかく地方市場の先進事例が各地で、月田会長が繰り返し強調している自己の努力による活性化が全国的に出てくるようになったのである。
ぜひ来年も、何社かのテーマの違う取り組みを報告してもらい、テーマ別に報告半分、質疑応答半分の進行にするなど会員各社の意見を取り入れた大会を期待したいと思った。