横浜市中央卸売市場本場(以下:横浜本場)青果部の再整備が進んでいる。
横浜市は平成27年に横浜南部市場を廃止し、12万㎡を物流エリア、5万㎡を賑わいエリアと分け、横浜本場の補完機能を担う場とした。
そして横浜本場も水産部の低温化につづき、青果部も物流機能の拡充に約80億円をかけ、既存青果棟を中心に隣接する3か所に保冷や荷捌き機能を持った施設を増築、一部を改修する。
概要は以下の通り。
増築
① F1棟 3階建 5400㎡
1階〜2階 荷捌き場、低温保冷庫
3階 加工場、仲卸事務所
② F2棟 2階建 3800㎡
1階 小売買参積込所
2階 荷捌き場、冷蔵保管庫
③ F3棟 3階建て 3400㎡
1階 荷捌き場、低温荷捌き場
2階 荷捌き場、低温荷捌き場
3階 駐車場
改修
- 令和2年9月〜市場正面駐車場に転送・小売積込、工事資材置き場等
- 令和2年9月〜南買荷保管積込所に仮ターレ充電場・仮設段ボール置場、屋外駐輪場
- 令和2年12月〜青果棟2階に電気室増設(ターレ充電場移動)
横浜本場は敷地面積が10万6千㎡あり、横浜の一等地に位置している。
青果部は48,459㎡と取扱高に比べると狭く、狭隘化の解消は長年の課題であった。
横浜南部市場を廃止し、横浜本場の物流補完機能としたことも物流機能強化の一環であったが、横浜本場独自の狭隘化解消は依然として必要な状況が続いている。
特に首都圏の流通を担う横浜本場として、物流の改善は必須の課題であった。
東京都も先ごろ、新宿にある2万3千㎡の淀橋市場を、全面建て替えでなく長寿命化を取り入れた再整備の方針を決定している。
東京、横浜が相次いで都心部市場の現在地再整備に踏み切ったことで、改正市場法後の市場再整備におけるPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の選択肢として、既存施設の長寿命化と機能強化・新たな施設を併せて再整備する動きが広がるだろう。