卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

市場業者への支援も緊急課題

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2020年3月18日午前11時 築地場外市場

卸売市場認定申請は2020年6月21日まで後3ヶ月となったが、新型ウイルス騒然の中で卸売市場業者は、新型ウイルスへの対応に加えて急激な売り上げ低迷に追い込まれている。

様々な「自粛」で外食店やホテル、観光、交通機関などが閑古鳥、前年比で軒並み50%以下になっているケースも多い。
スーパーは、缶詰などの保存食は売れているが、毎日買う生鮮食品は売れ行きが落ちる。価格も下がっている。売上げが減っても、市場業者は店を勝手に休業することもできない。休業=廃業である。

中小企業の集合体である卸売市場業者は、公設、民設にかかわらず市場全てが公共性を持っている。
新型ウイルスは、公表されている限り、全国どこの市場でも感染が出ていないが、卸売市場が一つでも閉鎖になった場合の国民生活への影響は計り知れないだろう.

新型ウイルス対応に対する政府の経済支援も検討されており、市場業者からも開設者に対する使用料減免等の支援要請が出てきている。
使用料の支払猶予、限定付き減免あるいは免除も検討されていいのではないだろうか。
また、6月21日までの卸売市場認定申請も、民営市場が圧倒的に多く申請準備が遅れているだけに申請期限の延長も検討して欲しいと思う。

政府の対応は、生命と安全を守るための自粛(規制)と経済対策がある。

国民一人当たりの支援金や公共料金の生活困窮者に対する「猶予」(先延ばし)がどれだけ生活支援になるか分からないが、現状では支援金が出てもそれが消費の拡大にはすぐに結びつかないだろうし、公共料金の支払い猶予も私のような年金生活者は来年二倍にして払う余裕はない。

中小企業の集合体である卸売市場業者は「生活困窮者」ではなく「営業困難者」である。仮に税金や使用料を「猶予」されても、来年二倍にして払う余裕はないだろう。
消費税の引き下げ、あるいは限定期間付き消費税0%、使用料減免等の支援策は緊急課題である。