卸売市場の仲卸売場では毎日見ることができる風景ですが、さすがに市場です。解体している人も「大者」でしたが、この日のまぐろも107キロの大物です。
まぐろ解体ショーは市場まつりやスーパーの週末イベントでの一番人気ですが、2メートルを越す包丁や技術が必要で、誰もができるものではありません。
先立って行われたセミナーで、日本総研の石田研究員が「卸売市場はモノを中心とした営業だけでなく決済等のデジタル化や、仲卸の従業員や買い出しに来る、あるいは引退した小売鮮魚商をスーパーの週末イベントやバックヤードの支援に派遣する人材派遣を考えるべきだ」と提案していました。
確かに、こうしたヒトとカネのバリュー化も、卸売市場が取り組めば有力なツールになるのではないかと思いました。
スーパーへの人材派遣はかなり前から行われていますが、それらのほとんどは派遣された従業員も含めた「サービス」であって、一時期、小売の優越的地位の濫用として問題になったものです。
こうした「サービス」は小売にとっても納め業者にとってもプラスにはなりません。
実際、週末に小売の売り場で市場業者のユニフォームを着た若い方を見たことがあります。無理もないと思いますが、どう見ても戦力にはなっていませんでした。
個々の市場業者ではなく、市場なり組合なりで受け皿を作り事業ベースを目指そうとすれば、採算分岐点はかなり低くなるのではないでしょうか。