卸売市場の消費者開放は、民営市場だけでなく多くの公設卸売市場で行われている。
「消費者開放」は「本来は売らないのだが特別に売る」という上から目線が感じられるのだろうか、「開放市」という名称は少ない。
参考までに消費者開放を行う前提としての考え方と、全国各地で使われている消費者開放デーのネーミングを紹介する。
1.市場開放を成功させるための注意
- 卸売市場のスタンスを崩さない。「卸売市場」というブランドは「安くて美味くて鮮度抜群」のイメージは圧倒的な集客力を発揮する。
- スーパーとどこが違うか、市場ならではの差別化・特色が必要。
- チラシ、地域新聞の活用をはかる。行政広報の協力、ネットの活用も。
- 市場開放日のネーミングも重要。
- 販売企画は偉い人より若い人。女性の意見。
- 「とりあえず実施」は失敗。準備は時間かけて意思統一。
- 水産・食肉・青果の生鮮3品が集客力の要。
- 関連単独は魅力少ない。売る立場より買う立場。
- 総合食品のワンストップ、酒の安売りも魅力。
- 参加は強制しない。店の前をきれいにしておくなどの協力だけ。
- 小売商の協力を得る。参加しない仲卸店舗で小売商に売ってもらう。組合単位の販売はしない。売れば自分の利益に。従業員のただ働きもさせない。
- 共通の目玉商品、抽選・プレゼント等は有効。
- イベントによる集客は一時的。無理のない範囲で。
- 集客のカギは鮮度と価格と品そろえ。
- 休憩所も準備。
- 商品のはみ出し、ゴミ出し厳禁。
- 販売開始よりも販売終了時刻の統一が大事。(早く開始しても終了時間までは売る)
- 売上・経費等も含めた実施後の総括を必ず行う。
- 顧客のリストつくり。とりわけ料飲食店は事前のダイレクトメールや500円等の買物サービス券で市場の顧客としてつかむ。
2.消費者開放のネーミング
市場内に直売所を作った場合は道路沿いでないために「道の駅」は使えず、都城は「市場の駅」、川越は「生鮮漁港」となっている。
すでに使われていないネーミングもあるが、今後行う市場の参考までに。
「いちばの朝市」(北勢民営地方)
「市場の駅」(都城公設地方)
「街のまんなか日曜市」(松山中央)
「甲府さかなっぱ市」(甲府公設地方)
「だんべえ市」(前橋民営地方)
「ごんせ市」(長浜3セク地方)
「真っ昼間市」(府中民営地方)
「ニコニコ感謝デー」(高崎・3セク地方)
「元気朝市」(栃木県南・民営地方)
「みとっぽわくわく感謝市」(水戸市場公設地方)
「いかっぺ市」(土浦民営地方)
「朱雀市場食彩市」(京都中央)
「いちばいち」(川崎公設地方)
「魚果菜(ととかな)塾」(神戸本場)
「生鮮魚港川越」(埼玉川越市場)
「市場ふくふく通り」(岡山中央)