鹿は奈良東大寺が有名ですが、屋久島でも観光客が通る傍で木の葉を平気で食べています。
鹿は本来警戒心の強い動物のはずです。
北海道の鹿は格別です。
冬の釧路湿原で、列車の窓から白鳥の舞いやエゾシカが一列になって雪原をジャンプしながら走っている様を見ました。
鹿の走るコースは決まっているようで、雪上の同じ場所だけに足跡が続いています。
終点まで行き、帰りの列車まで駅前でコーヒーを飲み、そのまま帰ってきました。
九州育ちの私にとって北海道の冬は憧れです。
夏の北海道も素敵です。
大雪山中腹にある一軒宿の湯治場に数日いましたが、露天の温泉に入っていると山の斜面から鋭い鳴き声が聞こえ、塀の外を川に向かって駆け下りる音がします。
鹿が温泉を飲みに川に下るそうですが、姿は全く見えません。軟弱な奈良の鹿とは大違いです。
散歩に出かけた時に、山道のかなり離れたところに鹿が出てきて、立ち止まり、睨み合いのような形になり、困って帰ろうか振り向いた一瞬に林の中に逃げ込み見えなくなりました。
「朝顔につるべとられて貰い水」の経験もしました。
石鹸が使えない炭酸泉で、温度の低い露天の源泉に入っていると、岩に置いた濡れたタオルに蝶が数頭止まって、傍で見ているのに逃げません。
タオルに染み込んだ温泉を飲んでいるのでしょう。
「もうそろそろいいだろう」と言ったのですが、なかなか離れてくれず困りました。