卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

役所の会議は退屈だ

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東京都は2019年7月4日、第23回取引業務運営協議会を開き、「卸売市場法改正を踏まえた条例改正について」報告されました。

昨年12月から4回にわたって、都職員を入れると業界幹部、外部委員含めて50人近くが論議した結果がこれかと驚くほどの内容で、内容的には全く具体化されていません。

「これまでの議論のまとめ」は「卸売市場としての役割を果たしつつ、新たなニーズに的確に対応することで産地や実需者から選ばれる卸売市場を目指す。」です。
何も言っていません。

これを聞いて私は、この文言は昭和46年の卸売市場法制定時のまとめとして出しても全く違和感のない言葉だと思いました。

市場法は新しくなったのですが、役所の議論の進め方は全く変わっていません。
これまでが総論で、7月後半の準備会で各論に入り、秋には都として条例案を出すそうです。
つまり各論の論議は一回きりなのです。

今日の会議でも意見を述べた委員のほとんどが批判的で、新任の黒沼中央市場長が「貴重なご意見をいただいて、今後も皆様と協議しながら・・」と国会答弁のような格調高さで挨拶しましたが、発言しなかった委員は都に白紙委任することになるのでしょうか。
それとも次回、初めての公開による各論で、白熱した議論を経て結論を出すのでしょうか。

あるいは今日と同じく「貴重なご意見をいただいた」都が案を出し、今、流行りの多数決民主主義による決着となるのでしょうか。

「ごまめのはぎしり」ながら心配です。