卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

連休の過ごし方

連休中は昔から出かけない。 
いつでもどこでも行ける「サンデー毎日」の身だから連休中に行く必要はないからである。

私だけかと思っていたら、7割が遠くへは出かけないという報道があった。
調査が本当なのかという疑問はあるが、そうだろうと思う。

テレビでは、相変わらず空港や新幹線の混み具合を報道しているが、海外に行くファミリーインタビューなど、高度成長期と同じ視点である。
「羽田空港の混み具合」で流れた空港の映像が、通常の混み具合と全く変わらないように見えるのがおかしい。

問題意識がないのか、少しでも令和の時代を盛り上げようというキャンペーン企画なのか。
踊ってはくれないだろうと思う。

先日築地に行って知人と食事をしたが、場外市場の人出は移転前を上回るほどである。
平日の午前中なのに大変な人出で、移転後の閑散が完全に回復している。

最もほとんど外国の観光客らしい。
寿司屋で聞いたが、朝早く来る市場の関係者がいなくなったので店の開店時間を遅くし、その分閉店を遅らせたという。
今までは、通りに客は多いのに営業時間が長くなりすぎて閉めていたというから、かえって経営上は良いのかもしれない。

外国の観光客は豊洲よりも確実に多い。
やはりビルの中の一画で食べるだけよりも、屋台が並んでいるような場外市場の食べ歩きの雰囲気が人を魅せるのだろう。

高層マンションなど豪華な住宅ほど「自然豊か・緑に囲まれた」のキャッチフレーズが多いのと同じではないか。

豊洲市場の関連売場と築地の場外市場を見て、月島のことを思い出した。
私が住んでいる江東区はお台場はじめ、勝どき、豊洲近辺の発展が著しい。
そうした中でしぶとく生き残っているのが、隅田川沿いの月島地区である。
古い家屋の佃煮屋が今も営業して人気である。

月島も地元客より観光客が多い。
築地で働いていた頃、何度か、もんじゃ焼きを食べたが、月島に隣接している大学の教職員寮に住んでいた頃は、前を通って築地に行ったが食べなかった。

高いか安いかは食べる人の価値観の問題だが、私には値段が高いと感じた。
トッピングするとお寿司並みの値段になる。

「もんじゃ焼き」に対する差別かもしれないが、私の価値観で言えば寿司は高くても美味ければいい、もんじゃ焼きは「安くて美味い」がセットでなければならない。

高いと文句を言うこともないのだが、築地場外市場で海鮮丼が7000円、イチゴの「とちおとめ」が1パック1500円の値札を見たときは仰天した。

視力が衰えているので7000ではなく700ではないか、1パックではなく1ケースではないかと、思わず近よって見た。
高い安い、のレベルではない。国内観光客値段でもないだろう。
外国で日本人向け価格があるという話はよく聞くが、築地でもそうした店が出てきたのかと驚いた。初めて知った。アメ横ではないだろうと思う。

確かに外国の観光客が魚や野菜を買って帰るとは思えない。食べ歩きと見物客が多い。
このまま観光地化が進んでしまうのだろうか、残念である。

築地場外市場では安くて美味い店が多い。
市場跡地の再開発を待てば好転するだろう。
地元消費者に愛される場外市場を目指して欲しい。