卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

年越しそば

明けましておめでとうございます。

昔は、昨日と今日と何が変わる、何がめでたいと斜に構えていました。
近年は一年を無事に終え新しい一年を迎えることが出来たことを感謝するようになりました。
これを円熟というのでしょうか老化というのでしょうか。


「去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの(虚子)」という有名な句がありますが、最近は正月どころか日々新しい朝を迎えるごとに、おめでとうと言いたい気分です。
正月はめでたく今日もおめでたい。新しき日もまた昨日のごとくあれと思うばかりです。

そばが好物なので、12月29日に年越しソバを食べました。へぎそばです。
そばは、やはり東北、長野が美味しい。中でも長野の戸隠山の中腹で食べたソバは絶品でした。
雨上がりの戸隠は白い霞に樹々の姿が黒い影となって浮かび、まるで水墨画の世界でした。
一面ソバ畑の中に生産者が営業している蕎麦屋で、3合とか5合とか注文し、それから茹でてザルに入れて出てくる文字通り「碾きたて、打ちたて、茹でたて」のソバです。
青臭い山菜の香りの天婦羅とともに満喫しました。

「年越し」とは12月31日から1月1日にかけての時間と行事を言い、年を無事に越すために行う行事が、一つは物忌みのために終夜、寝ずに篝火を焚いて新年の日の出を待つ行事です。
家庭でも囲炉裏の火を絶やさないようにして新年を迎えます。

神社に初詣に行くのも大晦日12時をすぎてから夜明けまでが本式の初詣ということになるようです。

もう一つが料理で、食器道具や包丁類を休ませ、おせち、お雑煮など食べます。
年越しそばを「開運そば」とも言うのは、こうした年越し行事の一環としての料理だからです。

おせちはあまり食べませんが、なますは好物です。
なますは「ナマ酢」「鱠」「鱠」等の字を当てますが、「にくづきへん」である月や、魚が充てられているように、当初は肉を細かく切って三杯酢に浸したもの、つまり生の肉や魚介類を酢に漬けるので「ナマス」なのですが、私は大根と人参を三杯酢に浸しただけが好きです。