卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

豊洲市場9月13日に開場記念式典

小池知事が出席した「市場移転に関する関係局長会議」で、豊洲市場の開場に向けた取組状況、環状2号線の整備、築地再開発の検討状況、の三点について次のように決定した。

①10月11日開場に向けた記念式典は9月13日に行われる。

開場は豊洲市場になる見込みだが正式には発表されていない。

②環状2号線(築地区間)の整備は以下の三段階で行う。

第一段階 暫定迂回道路は開場後2か月以内としていたが、1ヶ月以内に短縮、但し、業界の協力が必要である。
第二段階 地上部道路の開通は2019年度末予定。往復2車線。
第三段階 本線トンネルは2022年度に開通。往復4車線。

③習熟訓練

豊洲市場の最大の課題が、入り、場内、出、の円滑な物流。
設計段階では、水産部では7街区の卸ゾーンにトラックが入り、6街区の仲卸ゾーンに運ばれ、6街区から場外に搬出する設計であるが、詳細は確定していない。
どこから入り、どこに下ろし、どこから出て行くか、改めて計画対応しなければならない。

さらに水産と青果を両方仕入れる買出人はどういう動線を通るのか、駐車場不足は等々、開場後も一定期間の混乱は避けられないだろう。

当面はできる限りの習熟訓練を行う以外になく、昨年11月から日曜・祝日の入場時間を拡大し今年1月からは開門ゲートを順次拡大し、今までに6回の習熟訓練を行い、計6千名以上の市場業者が参加している。

④引っ越し準備

約900の事業者が移転するため、2㌧車換算で約5,700台、ターレ・フォーク約2,600台が動く。
このため、東京都は開場後1週間程度を引っ越し調整期間として設定している。

⑤千客万来施設と築地再開発

築地再開発との関連で千客万来施設の事業者が撤退する動きが出ていたが、「東京2020大会後速やかに着工する」ことで合意した。

築地再開発については5月末に開催された検討会議で総論だけの報告書が出されたが、具体的な施設等の計画は全て、今後、庁内で設置される検討会で小池知事のイニシアティブでまとめられることになった。千客万来施設との整合性などは全く触れられていない。

江東区は当初の豊洲移転の合意が「千客万来施設の同時開業」を前提としていたため、なお交渉が続けられる。