卸売市場流通についての諸問題

市場流通ジャーナリスト浅沼進の記事です

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

川を守ることは漁業に貢献する−ウナギは生物多様性のシンボル

コロナの終息が期待できるか、不安ながらも夏がきた。 静岡新聞が2020年5月30日付けで「天然ウナギの生息する場所には他の生き物も多く存在し、ウナギは生物多様性の象徴になる可能性がある」と神戸大学等の研究チームが発表した論文を紹介している。 ウナ…

パーソナル情報システム「WEBセミナー」開催−「制度変更とIT戦略の方向性」

コロナ対応で新たなセミナーが模索されている (2019年に行われた生鮮流通フォーラム) 2020年6月25日、パーソナル情報システム株式会社(PJS)主催のWEBセミナーが行われた。 PJSは毎年2回、生鮮流通業界向けの無料セミナーを開き、毎回多くの業界関係者…

市場再編の動き活発化

2020年6月21日、改正卸売市場法が施行され、市場再編の波がさらに活発化している。 「市場再編」といっても従来型の統合ではなく、それぞれの市場に合わせたケースになっている。今後、随時に詳しく紹介するが、最近の動きを簡単に列挙しておく。 長い歴史…

規制緩和と市場主義経済−コロナウイルスと食料安保5

漁業の活性化は食料安保に貢献する(小田原漁港・定置網) 食料安全保障と食料自給率について検討してきたが、国が目指す食料安保政策と密接な関係にあるのが市場主義経済の推進と、これに伴う規制緩和の政策、種子法廃止や種苗法改正案、さらにJ A全農改革…

種苗法改正と食料自給率−コロナウイルスと食料安保4

市場でもカット野菜に国産野菜が活用されている(岡山クラカ) 自給率目標は「平時の金額、緊急事のカロリー」 カロリーベース、生産額ベース、それぞれについて問題はある。 1.カロリーベースの場合 輸入による飼料がなくなった場合、国内の飼料で代替でき…

オークネットが砧花き買収−ネットオークション企業が中央市場卸に

市場は変わらなければならないと誰もが言う。問題はどう変わればいいかである。 2020年6月21日、改正市場法が施行された。改正市場法は既に一年前に成立しており、いわばこの一年は助走期間とも言うべき一年であった。 改正市場法は取引の自由化や市場再編…

私の好きな美術館−その8棟方志功記念館、上原美術館ほか

伊豆の山々から風を受ける「風と少女」(上原美術館の庭の彫像) わだばゴッホになる 言葉の達人、井上ひさしは故郷東北の言葉をとりわけ大事にしたが、いわゆる東北弁で最も有名な言葉は棟方志功の「わだば ゴッホになる」だろう。 しかし今、志功を「日本…

食料自給率の考え方−コロナウイルスと食料安保3

小泉大臣はなぜ非難されたのか いつだったか、小泉環境大臣が国際会議に参加した際、前日にステーキハウスに行ったことを環境保護団体から批判されたことがあった。ステーキを食べることと環境保護はどう関係あるのか、すぐには分からなかったのだが、おそら…

カーネーション売れる−コロナ禍での母の日

母の日プレゼントはこんな花も嬉しい イベントや冠婚葬祭などで花の需要は大きい。今年は花の消費も落ちていると思ったが、母の日のカーネーションが数年ぶりに良く売れたという。県を超えた移動自粛の影響で、帰省できなかった人たちが花を贈った影響だろう…